小児、成人の側弯症について・・・船橋市のオステオパシー整体

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西船橋オステオパシー かげん鍼灸院・整体院です。

 

側弯症とは先天的に、または後天的に脊柱の側屈カーブに極度の彎曲が出る状態のことを言います。

 

通常、小児期に発見されることが多く、200人中10人の児童に側弯症が発生しています。

しかし、その内、主観的な症状を訴える児童は200人中1人の割合と少なく、児童検診を受けるまで気付かない場合が多いようです。

 

側弯症は骨が柔らかい若い時期に治療を行うと、進行が大きく進まないで済むことが多いです

ただ、医師に検査する意識が薄いと、ほとんどの側弯症は見逃される傾向にあるようです。

その結果、成人してから痛みや症状がでて、やっと側弯症に気付く方もいらっしゃいます。

 

ただ、成人になってから側弯症が原因で出る痛みや症状に対して、オステオパシーが大きな効果を上げることが多いです。

今回は側弯症についてオステオパシー的考察も含め、お話していきます。

<目次>
・側弯症の原因
・側弯症の種類について
・機能的側弯症と構築的側弯症の見分け方
・一般的な側弯症への対応
・オステオパシー的側弯症への考察
・オステオパシーによる成人の側弯症の対応
・まとめ

側弯症の原因

まず、側弯症の原因についてですが、ほとんどが分かっていません。

病気や先天的要因からなる場合もありますが、ほとんどが原因不明の特発性側弯症になります

 

先ほどもお話したように、小児のほとんどが自覚症状がないので、ご両親がお子様の状態に常に目配せをして、体の異常に敏感であることが重要です。

側弯症の種類について

側弯症で最も多いのはダブルカーブという、胸椎と腰椎の2つの側弯カーブがあるパターンです

 

通常、一般の方でもある程度の背骨の彎曲はあるのですが、側弯の方はこの角度が5度以上になると、軽度側弯症になります。また、45度以上になると、心肺機能に危険が生じるため、手術の適応となります。

ダブルカーブの側弯症

 

また、側弯症には機能性のものと、構築性のものがあります

機能性とは脊柱を構成する背骨には問題がありませんが、その動きに問題があり、側弯を形成するものです。

分かりやすく言えば、歪みが強い状態と考えて頂けるといいと思います。

 

また、構築性のものは、背骨の形成異常などで背骨の形そのものに問題があり側弯を示しているものです。

この状態の側弯症は、機能的なものと比べ、完全に側弯を解消するのは不可能になります。

 

ただ、ある程度側弯症を進行させないようにすることは可能です。

また、構築性の側弯は機能性のものと複合して起きてもいるので、機能的な問題が解決すれば側弯が軽減する可能性があります

 

機能的側弯症と構築的側弯症の見分け方

側弯症が機能的側弯症か、構築的なものなのか見分けるのに有効な方法があります。

 

被検者に前屈してもらい、背中の膨隆を見ます。

側弯症の方は側弯カーブの凸側の背中が盛り上がります。

 

膨隆を確認したら、そのまま体を左右に側屈してもらいます。

 

この時、背中の膨隆が膨隆と反対側に体を曲げた時に増強、膨隆側に曲げた時に減少もしくは消失するようなら、機能的側弯症です。

もし、変わらなければ、構築的側弯症となります。

一般的な側弯症への対応

側弯症は骨の成長が終わる成人前に対処すると側弯の減少や、進行を遅らせる手助けとなります。

 

整形外科では、側弯症用のコルセットを着用させ、さらに、運動療法も行い、側弯の改善を目指します。

 

若ければ若いほど、骨もまだ成長段階で、体も柔軟性があるので、治療には反応が良いです

 

ただ、治療を成人になって終了すると、また側弯が戻ってくるという報告もあります。

成人になってからも、体の管理が、側弯症の進行させないカギとなります。

成人になってから見つかる側弯症について

側弯症には成人になってから見つかるケースもあります。

 

これは、側弯症が児童検診の時見逃されていたものが、腰痛や背部痛などの症状が出てきたことにより発見されるケースがほとんどです

 

また、大きな手術により体のアライメントが大きく崩れたことにより発生したり、稀ですが大きな精神的トラウマをきっかけにおこる場合もあります。

 

ちなみに胸郭周辺に手術歴がある方は大きくアライメントを崩し、側弯症を発症する方もいます。

オステオパシー的側弯症の考察

オステオパシー的には学童の子供の中には、仙骨の水平面での傾斜異常があり、その結果引き起こされる側弯症もあると言われています

仙骨の水平性がなくなると背骨に側弯カーブが生まれます。

このような側弯症は仙骨の水平性を改善すれば側弯症に良い結果を与える可能性があります。

 

しかし、このような側弯症でも学童期に施術をしなければ、機能性のものが構築性の側弯症に移行し、永続的なものとして残ってしまいます。

まずは、側弯症に気付いたら、整形外科での治療と合わせて、オステオパシーの施術を早急に行う事もおススメいたします。

 

また、仙骨の傾斜異常でない側弯症でも、早めに対処すればよい方向へ進んでくれます。

 

クライアントがまだ成人前の場合は、短い時間でこまめに来院した方がよいので当院では特別コースを設定しています

詳しくはお電話でお気軽にご連絡くださいませ。

オステオパシーによる成人の側弯症の対応

成人の側弯症の方は、腰や背中の痛みや、機能的な問題(歩行がしづらい、体が曲がっている気がする)を気にして来院する方が多いです。

成人の側弯症は構造的に形が構築されてしまっているため、それを完全に治すことは難しいですが、関節の動きの制限部分を改善することにより、痛みや症状を改善することはできます

 

側弯症で出る症状で大事なのは、形より、いかに円滑に体が動けるかです。

さらに、機能的な問題が改善されると、施術前より側弯症も軽減している事も少なくないです。

 

成人の側弯症に対しては骨盤、脊柱に加え、肋骨や、横隔膜、頭蓋骨も重要な要素になります。時に胸郭のねじれは重要で、大きく捻じれた横隔膜を緩めるのは必須の作業になります。

 

当院ではこれらの条件を満たす対応として、頭蓋仙骨療法とクラシカル・オステオパシーを合わせて行う施術を提供しています
(頭蓋仙骨療法、クラシカル・オステオパシーについてはこちら→オステオパシーの手技の紹介

両者とも体全体を調和させるのに有効な手技です。側弯症から来る痛みに悩む多くの方に、効果を上げています。

(左より)頭蓋骨と仙骨の治療の例

まとめ

側弯症は成人前に対応するのが、改善のカギになりますが、大人になってからも、オステオパシーは痛みや症状の改善に大きな力となります。

 

お子様でも、成人の方でも、機能的に体が動くことが、側弯症に対する一番の対処法です。

次回は側弯症に対する症例を紹介します。