過敏性腸症候群とオステオパシー・・・船橋市のオステオパシー整体

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現在、腸の症状を訴える患様の50%について、客観的診断や器質的原因を医師は見つけることができないそうです。

つまり、腸の症状の50%は原因不明なのです。

 

そして、そのような症状を医学的に過敏性腸症候群と呼んでいます。

過敏性腸症候群とは腹痛や腹部不快感をともなう下痢や便秘などの便通異常が、ストレスに起因して慢性的にくり返される疾患のことです。

お腹が痛くなったり便秘や下痢を繰り返すので、病院に行ったが特に問題は見つからなかった方などは過敏性腸症候群の診断を受けた方がいるかもしれません。

 

過敏性腸症候群はストレスの多いこの現代社会において急増しており、いまや誰がかかってもおかしくない病気の一つとなっています。

緊張するとお腹が痛くなったりするのも、この疾患の特徴です。

 

過敏性腸症候群はストレス性に発生することや、原因が不明なため、しばしば心因性の病気としてくくられてしまう場合もあります。

 

しかし、オステオパシーでは過敏性腸症候群を抱えている方は筋骨格系の障害が高い割合で発生していることに気付いていました。

つまり、心因性と単純にくくれる問題ではないのです。

<目次>
・過敏性腸症候群の症状が単純な下痢や便秘と異なる点
・日本での過敏性腸症候群の現状
・なぜ、便秘や下痢になるのか?
・腹痛の原因
・過敏性腸症候群は自律神経の不調和が原因の一つです
・自律神経は筋骨格系と深いかかわりがあります
・まとめ

 

 

過敏性腸症候群の症状が単純な下痢や便秘と異なる点

過敏性腸症候群にはストレスが大きく関係します。

過敏性腸症候群の最大の特徴は、ストレスが主な原因であるということです。

 

下痢便秘を伴う、
・腹痛や鼓腸、膨満感などお腹の張り
 ・お腹が何となく気持ち悪い
 ・お腹がなる
などの症状が特徴的です。

 

これらの症状は排便によって緩和することがあります。

 

また、過敏性腸症候群により不安や不眠、抑欝症状など胃腸以外の症状を呈することもあります。

 

日本での過敏性腸症候群の現状

過敏性腸症候群は立派な社会問題です。

日本人では5~10人に1人が過敏性腸症候群の患者です

10~30代の比較的若い層に多く見られます。

 

症状がひどいと電車や車の中で急にトイレに行きたくなるため外出を控えたり、出勤拒否や不登校・ひきこもりの原因となることもあり、社会生活に大きく影響することもあります。

 

 

なぜ、便秘や下痢になるのか?

過敏性腸症候群に関しては、腸の蠕動運動が上手く働かなくなる事によって便秘や下痢が発生します。

 

下痢の場合は腸の蠕動運動の過剰な活発化により、腸での水分吸収が間に合わずに発生します。

便秘の場合は腸が痙攣を起こし腸が細くなるため、便が通りづらくなり発生します。

 

ちなみに腸の蠕動運動は自律神経により管理されています。

自律神経の乱れは蠕動運動の不調を生みます

 

交感神経が優位だと腸の動きは抑制され、副交感神経の優位だと腸の動きは活性化されます。

 

腹痛の原因

過敏性腸症候群の方は、腸への刺激に敏感です

 

例えば、腸に内容物が通過する場合でも、普通の人が大丈夫な量も、過敏性腸症候群の方は痛みを感じてしまうようです。

これは腸への交感神経性の持続的刺激が腸を過敏な状態にさせてしまっているため起こっていると考えられます。

 

また、腸が過敏な状態だと、腸内のガスも発生しやすくなるので、お腹が張る「鼓腸」という状態が発生しやすくなります。

 

過敏性腸症候群は自律神経の不調和が原因の一つです

過敏性腸症候群は自律神経の乱れに関係しています。

ここまで読まれた方はお気付きかもしれませんが、過敏性腸症候群の原因の一つとしてあげられるのが自律神経の問題です。

 

自律神経の中でも交感神経は特にストレスに対して過敏に反応します。

交感神経の亢進により、蠕動運動の異常や刺激に敏感になった腸は下痢・便秘、腹痛、鼓腸を起こさせるのです。

 

自律神経系の問題だと、手技療法ではどうにもならないように感じますがご安心ください。

自律神経の問題はオステオパシー的に見れば、対処しうる問題なのです。

 

自律神経は筋骨格系と深いかかわりがあります

交感神経は背骨と大きな関わりがあります。

自律神経の問題というと、薬でなければどうにもならないように思われるかもしれませんが、オステオパシー的には古くから、自律神経と筋骨格系の関係について研究してきました。

 

古いオステオパシー・ドクターは筋骨格系の治療により、赤痢にも対処していたようです。

 

そもそも交感神経は胸椎・腰椎より出ている神経で、脊柱のズレや脊柱周辺の筋肉の緊張に非常に影響されやすいです

 

ストレス性に過敏な方は脊柱や脊柱周辺に圧痛がある人がほとんどです。

これは交感神経の亢進のサインとして見逃せない要素となります。

 

オステオパシーでは交感神経を亢進させていると考えられている背骨やその周辺組織に対して手を施し、交感神経の鎮静化を図ります。

 

そうするとお腹の中の血流がよくなり、腸の蠕動運動も正常化します。また、交感神経が鎮静化したことによりストレスへの耐性も向上するので、症状も出ずらくなります

 

またこの他にも、交感神経が通る肋骨や、交感神経の活動に関係するリンパ循環、内臓の循環をよくする横隔膜、場合によっては腸を覆う腸間膜へのアプローチも必要になります。

 

まとめ

「快腸」な暮らしをオステオパシーがお手伝いします。

 

一見、原因不明と思われる症状でも、身体のメカニズムから考察すれば対応できるものもあります。

 

過敏性腸症候群はまさにそういう症状の一つです。

 

病院での治療も非常に大事ですが、身体のつながりを大事にするオステオパシー的見解があなたの助けになるかもしれません。

今までの病院での治療に加えオステオパシーの施術を行なえば、症状の軽減や、薬の量を減らすのにも役に立つはずです。

 

心因性だとあきらめずに、お気軽にご相談くださいませ。お腹も「快腸」で快適な生活のお手伝いをできればと思います。