千葉県船橋市のオステオパシー整体 かげん鍼灸院・整体院の坪井です。
肩や腕のシビレ、痛み、違和感の症状が出る疾患として、頸椎症や頚椎椎間板ヘルニア由来のもの以外に胸郭出口症候群があります。
この胸郭出口症候群とは胸郭出口と呼ばれる構造を通過する神経、血管が圧迫される事により肩〜上肢に痛みやしびれが発生する症状です。
先日、胸郭出口症候群に非常に近いと思われる症状の方が来院されたのですが、その方の痛みの原因は意外な所にありました。
それは骨盤です。
今回は、なぜ骨盤が原因で症状が発生したのか、その理由についてお話します。
そして、今回のお話が胸郭出口症候群でお悩みの方の助けになればと思います。
なぜ骨盤が原因で胸郭出口症候群になったのか?
まず、今回の患者様は左肩〜腕に痛みがあり、胸郭出口症候群と整形外科で診断された男性の方です。
病院ではお薬を処方され、ストレッチをすすめられたようですが、改善しないようです。
実際に胸郭出口症候群の整形外科テストをすると、血管の拍動は減弱しませんが、痛みの所見は陽性でした。
胸郭出口症候群では整形外科テストで血管の拍動の減弱、もしくは消失があるので、実際は胸郭出口症候群は少し疑わしい所もありますが、施術を勧めていきました。
まず、施術で行ったのは、肩周辺や上肢のアライメントを整える事です。
この患者様は以前頚椎症だった既往があるので、首肩周辺の構造に何かしら問題があると考えられます。
実際にこの施術で痛みの7割はよくなったのですが、まだ症状は残ります。
そこで、もっと視野を広げてみた所、骨盤に大きな問題があり、それを調整すると痛みはゼロになりました。

今回問題のあった骨盤がどのように痛みに作用したかというと、
左の骨盤が突き上げられるようにずれる事により骨盤の水平性が失われて、
そこから上にある構造のバランスが崩れた結果、痛みに繋がったのだと思われます。
骨盤は寛骨、仙骨という骨で構成されますが、
この患者様の場合、仙骨に対して寛骨が突き上げられるようにズレていました。
これは稀なずれ方で、通常、上半身で重いものをもったり、階段で踏み外して左足を思い切りついたり、左のお尻で尻もちをつくような強い外力を受けないとこのようなズレ方はしません。
このズレがあると、確実に骨盤の水平性が失われて、上にある背骨はバランスをとるように歪んでいきます。
その歪みが背骨から出る神経系にも影響を与え、肩や腕に痛みを出すのです。
このように痛みの原因が患部から全く離れた所にある場合もあり、それに気付かなければこのような痛みが、時には難治性の症状として片付けられてしまう場合もあります。
ただ一見、胸郭出口症候群のようなすぐに良くならないような症状でも、広い視野を持ってみると今回のように大きく症状が変化する事があります。
大事なのは症状に囚われず、広い視野で体を見ていく事です。
もし、当院の施術に興味があるようでしたらご連絡頂ければと思います。