当院の治療の中心となるのはオステオパシーです。しかし、オステオパシーという言葉は皆様にあまり馴染みがないと思います。そこで、ここではオステオパシーについて分かりやすく説明していきたいと思います。
オステオパシーはアメリカの医学です。
オステオパシーとはアメリカで約140年前から続く、新しい医療体系です。創始者は医師のアンドリュー・テイラー・スティルという人物です。
彼は伝染病で3人の子供を失ったことをきっかけに、当時の医学に疑問を持ち、詳細な人体の研究の結果、新しい医学:オステオパシーを考案しました。現在、アメリカではオステオパシー・ドクターは医師として認められており、その理論と手技で多くの人々を救っています。
オステオパシーの特徴は、薬や手術に極力頼らず、「手」による施術によって本来人間に備わっている自然治癒力を活性化し、痛みや症状を治していくところにあります。そして、そのための手技が数多く構築されています。
WHO (世界保健機構)でもその有効性が認められたオステオパシーは世界各国に広まり、痛みや疾患に苦しむ多くの人々の助けになっています。
オステオパシーと一般的な西洋医学との違いは、一般的な西洋医学が患部のみへの対症療法なのに対し、患者全体を見る統合医療であるという事です。
オステオパシーでは人体の詳細な研究の結果、人は筋骨格系だけでなく、循環器、消化器、内分泌系、神経系など、全てが「生命」を動かすために連動していて、良くも悪くもお互いに影響し合っているということを発見しました。
この独特の考え方がオステオパシーを、腰なら腰、胃なら胃と患部のみ見る西洋医学と一線を画したものにしています。
オステオパシーの施術の特徴について
〜オステオパシーの4つの原則について〜
オステオパシーの施術をご理解いただく上で、オステオパシーの4つの原則について分かりやすくご紹介します。
オステオパシーの施術は統合医療の観点から、この4つの原則にそって行われています。
身体は一つのユニットである。
体は全ての組織、器官が膜構造でつながりを持っている一つの集合体です。また、体と精神と魂もつながりを持ってお互いに作用しあっています。
足首の問題が腰痛を発生させたり、精神的なショックが思わぬ体の痛みを生むことがあるのは、このつながりを通して起こっているのです。
オステオパシーではこのつながりを正常化し、体のバランスを整え、痛みや症状を緩和させます。
構造と機能は互い関連しあう。
人の体の構造には全て意味があります。例えば、胸郭が筒形をしているのは、肺や心臓を守り、呼吸をするのに最適な形だからです。しかし、胸郭が捻じれたり、つぶれたりすると、肺や心臓の機能低下を招き、さらには呼吸にも影響がでます。このように、構造と機能は互いに関連し合いがら体は動いています。
オステオパシーでは体が最適な構造と機能のもと動けるように、調整をしていきます。
人体は自然治癒力と自己免疫能を持っている。
人には本来自然治癒力と自己免疫が備わっていて、体外や体内からのストレスに耐えられるようになっています。
しかし、自然治癒力と免疫力が低下すると、人はストレスに耐えられなくなり、痛みや症状を発生するようになります。
オステオパシーでは体のバランスや生体リズムを調整することにより、自然治癒力と免疫力を活性化させます。
治癒力が向上すれば自分の症状を自分でしてくれるようになります。
オステオパシーの施術は以上3つの原則にそって行われなければならない。
痛みや症状は「体のつながりを通してバランスが崩れる→構造と機能が正常から逸脱する→自然治癒力や免疫力が低下する→耐えきれなくなった体が症状を発生する」という流れで起こります。
この時、症状を発生するきっかけとなったのは、バランスを崩すきっかけとなった部分で、まさにそこが症状の原因という事になります。
だから、オステオパシーでは、痛みや症状の患部ではなく、体のバランスを崩す起点となった部分に手を施し、本来のバランスを整えいきます。こうして、体の構造と機能も正常化すれば、自然治癒力と免疫力が活性化し、あなたの体があなた自身を治してくれるようになります。
痛みを繰り返さないために〜オステオパシーの痛みへの考えについて〜
オステオパシーは痛みを繰り返さない体づくりに最適な施術です。
その理由は、オステオパシーが「生体リズム」に着目して、人体を考察しているからです。
生体リズムとは頭蓋領域のオステオパシーより発生した考えで、脳のリズムの動きとも言われています。
生体リズムとは?
脳は1分間に8~14回のペースで動いており、このリズムは細胞内呼吸の吸気と呼気の動きと一致していると言われています。
私たちの体の組織は、どの部分でもこの生体リズムを持っており、このリズムが正常ならば組織は呼吸をしっかりと行い、元気に代謝活動を行っているという事になります。
生体リズムの異常が痛みを招きます。
しかし、生体リズムが正常から逸脱した組織は、代謝機能も弱くなり、悪くすれば組織の繊維化を招きます。
このような組織から体はバランスを崩し、一番歪みの力が集まった場所に痛みや症状が出るのです。
つまり、オステオパシーでいう痛みの原因とは「バランスを崩す起点となった場所」そして、「生体リズムが崩れた場所」になります。
この二つに当てはまる場所を探し、手を施していきます。
生体リズムを整えれば痛みを繰り返しづらくなります。
生体リズムは脳の動きが、脳の産生する脳脊髄液の波動を介して伝わったものです。
そこで、オステオパシーでは脳脊髄液の波動を介して原因の組織を活性化します。
バランスの崩れた体は、全体的に生体リズムが減弱し、自然治癒力が低下します。
しかし、原因の組織が活性化されれば、もとのバランスが戻り、自然治癒力も戻り、痛みや症状から解放されます。
さらに、組織の自然治癒力が真に活性化するので、痛みを繰り返しづらい体へと変化していきます。
かげん鍼灸院・整体院のオステオパシー手技の特徴
当院では、基本的には患者様の安全と安心を考慮し、痛みのない、ソフトで優しい手技を多用します。
人の身体の緊張は脳が記憶してます。神経に刷り込まれた情報は、組織を押したり揉んだりしても改善しないことがあります。
しかし、組織は緩む位置でバランスをとると、組織を緊張させていた神経の興奮が鎮静化します。そして、圧迫されていた血液やリンパの循環も元に戻り、組織は回復していくのです。
ボキボキ骨を鳴らさず、強力にストレッチを行うわけでもないのに、患者様からはなぜ良くなるのか不思議がられます。しかし、全ては医学的見地に基づいた安全で効果的な手技なので、お子様からご高齢の方まで、安心して受けることができます。
また、当院の施術は脳脊髄液を介し、生体リズムに働きかける施術を中心に行います。
生体リズムが回復し組織の細胞内呼吸が活性化すると、自然治癒力と抵抗力が向上し、痛みを繰り返しづらい体づくりの大きな助けとなります。
この他にもオステオパシーには多くの手技があり、患者様の状態に合わせて手技を選択し、治療をオーダーメードしていきます。
以下は実際に治療を受けた方ご感想になります。
D様(男性・40歳)事務・コンピューター関係
▷ 治療前の状態
起床時、腰に痛みがありました。
じっとしていると痛みを感じないが、動き出す時や階段の昇り降りの際に痛みを感じました。
▷ 治療後の変化
痛みがなくなりました。動き出す時も痛みもなく、不安も解消時しました。
また、身体が軽く感じます!
ありがとうございました!
▷ 当院をどのような方にお勧めしたいですか?
普段、座り仕事をしている方や緊張して、身体に力が入っている方にオススメしたいです。
強いマッサージ希望の方や、ボキボキ鳴るような治療を求める方には向かないかも…
心身ともにリラックスしたい方にとても良いと思います。
患者様の声をもっと読みたい方はこちらへ
心と体と健康について
オステオパシーでは、肉体、精神、魂を三位一体と考え、心と体の関係性についても言及しています。
心に余裕がなくなれば、体も疲弊しますし、体を酷使すれば、心も疲弊します。
オステオパシーでは、心と大きく関係する自律神経系へアプローチし、心と体の健康にも取り組んでいます。
体に余裕をつくる事により、心にも余裕をつくる、そう考えると分かりやすいかもしれません。
また、アメリカのオステオパシー医院にならい、当院では心の健康に鍼灸を取り入れています。
オステオパシーでも、東洋医学でも、感情と内臓は大きく関係していると考えています。
当院ではオステオパシーと経絡(気の流れの道)を利用して心身の健康管理につとめています。
特に、感情がたまりやすい顔への美容鍼は非常に有効です。
オステオパシーに出来ること
アメリカでは医師がオステオパシーの手技を、聴診器やメスと同じように治療の道具として使っています。
その適応範囲は幅広く、痛みや症状で苦しむ多くの方に対応しています。
- もともと医師が使う技術なので、内科外科問わず、多くの疾患に有効です。
- 筋骨格系の疾患はもちろんのこと、頭痛、内臓の不調のような自律神経疾患にも有効です。
- 小児、高齢の方、妊娠中、産後の方でも安心して受けて頂けます。
当院では
◆腰痛、背部痛、頸部痛や五十肩をはじめとする筋骨格系の疾患の方
◆自律神経の疾患をお持ちの方
◆マッサージやリラクゼーションで得られない真の疲労回復をお望みの方
などが多く来院されています。
具体的な適応症状についてはこちらをご参考にしてくださいませ!→
日本のオステオパシーの現状
日本ではオステオパシ―医学は、残念ながら医療行為と認められておりません。法律上は他の整体と同じ立場です。
そんな中、日本でもオステオパシーの理論や技術が認められはじめ、国内に広まりつつあります。
現在、日本にも多くのオステオパシーの協会や学校があり、オステオパシーの普及と教育に努めています。
中でも「全日本オステオパシ―協会」「日本オステオパシ―学会」「関西オステオパシー協会」で構成される「日本オステオパシー連合(JOF)」はオステオパシーの世界水準の教育と施術者の育成を目指すべく、
認定資格であるMROJ(Member of Registered Osteopaths (Japan)) を立ち上げました。
この資格は国内外問わずオステオパスとして一定水準以上を満たしていることを証明するものとなっています。
試験内容もオステオパスの水準を上げるため、非常に厳しいものとなっています。
また、日本唯一のオステオパシー・ドクターである森田博也D.O.(アトラス・オステオパシー学院学長)が
アメリカのオステオパシーの理論と哲学を継承するべく、 一定水準以上のオステオパシーの 教育を受けた
ものにのみ「OTM修了証」を発行しています。技術に捉われがちな日本のオステオパシー施術者の、理論と哲学の教育に尽力をしています。