鍼灸治療について

鍼灸について
当院ではオステオパシーだけでなく、鍼灸治療も取り入れています。

鍼灸は東洋医学に基づき、オステオパシーとは違う観点から人体をトータルに見ていきます。

特に、心と体の関係性が詳細に研究されています。

この理由から、アメリカのオステオパシー医院でも、心の健康に鍼灸が用いられることがあります。

鍼灸による全身治療の考え方

鍼灸治療は、鍼刺激や、あるいは灸による温熱刺激を与えることにより、効果的な生体反応を引き起こす東洋医学治療のことです。
身体には361箇所の経穴(ツボ)が存在するといわれています。

東洋の技術

その経穴には、12の内臓の働きと連絡している流れがあるため、患部から遠く離れた経穴を刺激することで症状の緩和が得られることもあります。

専門分野に特化した西洋医学と比較すると、部分的な痛みや症状を取り除く治療ではなく、身体全体が調和がとれた状態を健康と考えており、気のバランスをとることを重視しています。

鍼灸治療の本質は、陰陽太極図が示しており、一つのものの中の変化を表しています。

身体の中に陰も陽もあり、一定ではありません。

変化する要素は、年齢、季節、気候、食べ物、家族や仕事などの環境や成長も含めて、常に変化し続けます。

その変化に対応できない時、この陰陽のバランスが崩れ、痛みや病として身体に現れます。

西洋医学では診断のつかない違和感や疲れ、薬でなかなか効果がみられないなど、けっして“気のせい”ではないと、身体が教えくれています。

感情と体の関係

東洋医学では感情と体の関係にも言及しています。
例えば怒りは肝に関係し、悲しみ肺に関係があるとされています。
喜怒哀楽は人に必要なものですが、どれかが過剰すぎたり、足りなすぎても諸症状の問題の原因となりうるのです。
陰陽のバランスをとることにより、これらがよりよい状態で落ち着き、心と体を元気にしてくれます。

感情泣き
感情怒り

鍼灸の安全性の現在

現在の鍼は、0.12mm程の細さや先端に丸みを持たせて痛みを殆ど感じないような工夫と、使用直前まで無菌状態を維持された鍼を使用し、一度使用したものは廃棄(ディスポーザブル)となりますので、衛生面でも安心です。

また、当院の灸はやけどや化膿を起こしやすい顔面部・浅層に大血管がある部位・皮膚疾患のみられる部位・妊娠中の下腹部など皮膚の柔らかなところへの直接灸を避けています。
年齢や体質、体調状態によっても感受性が異なるため、温かさを感じた時点で灸を取る方法、または皮膚と灸の間に台座を置いて皮膚を守ります。

鍼灸の適応症状

世界保健機関(WHO)は、1979年に臨床経験に基づいて43疾患が鍼の適応となることを挙げています。

さらに1998年、米国国立衛生研究所(NIH)の合意声明書の中で鍼が有効な疾病および鍼が有効な可能性がある疾患として“術後・薬物療法時の吐き気・嘔吐、妊娠悪阻、歯科術後痛”も挙げられています。
この後はジンドゥーの「鍼灸の適応症状」の所をコピペして大丈夫です。(非適応疾患の所もお願いいたします)

神経系

  1. 神経痛 (三叉神経痛、肋間神経痛、坐骨神経痛)
  2. 神経麻痺 (顔面神経麻痺)
  3. 痙攣
  4. 急性灰白髄炎の後遺症
  5. 脳卒中後遺症
  6. 末梢神経障害
  7. 頭痛・偏頭痛調
  8. 自律神経失調症 (めまい、不眠、神経症、ノイローゼ、ヒステリーなど)

運動器系

  1. 筋・筋膜炎、筋筋膜性疼痛
  2. 頸肩こり
  3. 五十肩
  4. 頸肩腕症候群
  5. 腱鞘炎
  6. 手根幹症候群
  7. 腰痛
  8. 関節炎(変形性関節症、関節リウマチ、へバーデン結節)
  9. 外傷の後遺症(骨折、打撲、むちうち、捻挫)
  10. 各種スポーツ障害など(テニス肘、水泳肩)

循環器系

  1. 心臓神経症
  2. 動脈硬化症
  3. 高血圧低血圧症
  4. 動悸
  5. 息切れ

呼吸器系

  1. 気管支炎
  2. 喘息
  3. 風邪および予防

消化器系

  1. 胃腸病
    (噴門痙攣、しゃっくり、胃下垂、胃炎、胃酸過多、十二指腸潰瘍、腸炎、下痢、便秘、麻痺性イレウス)
  2. 胆嚢炎
  3. 肝機能障害
  4. 肝炎
  5. 痔疾
  6. 口内炎

泌尿器系

  1. 腎炎
  2. 膀胱炎(神経因性)
  3. 尿道炎
  4. 性機能障害
  5. 尿閉
  6. 前立腺肥大

婦人科系

  1. 更年期障害
  2. 乳腺炎
  3. 白帯下
  4. 生理痛
  5. 月経不順
  6. 冷え性
  7. のぼせ
  8. つわり
  9. 不妊症

内分泌代謝系

  1. バセドウ氏病
  2. 糖尿病
  3. 痛風
  4. 脚気
  5. 貧血

眼科系

  1. 眼精疲労(疲れ目・かすみ目)
  2. 仮性近視
  3. 結膜炎(ものもらい)
  4. 中心性網膜炎
  5. 白内障

耳鼻咽頭・口腔科系

  1. 中耳炎
  2. メニエール氏病
  3. 耳鳴り
  4. 難聴
  5. 鼻炎
  6. 急性副鼻腔炎
  7. 咽喉頭炎
  8. 扁桃炎
  9. 歯痛
  10. 歯肉炎
  11. 抜歯後疼痛

小児科

  1. 夜尿症
  2. 小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、偏食、食欲不振、不眠)
  3. 小児喘息
  4. アレルギー性湿疹
  5. 耳下腺炎
  6. 虚弱体質の改善

皮膚

  1. じんましん
  2. しヘルペス
  3. しもやけ
  4. おでき

アレルギー

  1. 気管支喘息
  2. アレルギー性鼻炎
  3. 眼炎

同様にWHOはガイドライン(1999年)の中で鍼治療を避けるべき疾患として以下の4つを挙げています。

非適用疾患(禁忌)

1.妊娠
2.救急事態もしくは手術を必要とする場合
3.悪性腫瘍
4.出血性疾患