ぎっくり腰は「魔女の一撃」と呼ばれるように、突然痛みが襲ってきます。
ただ、時間の経過とともに良くなるのも比較的早い症状でもあります。
でも、整形外科や接骨院に通っているにも関わらず、ぎっくり腰がなかなか良くならない方もいます。
その場合、ぎっくり腰の原因が腰よりもっと別の場所にある可能性があるかもしれません。
今回はなかなかよくならないぎっくり腰の症例について紹介いたします。
・症例:急性腰痛(30代女性)
・腰以外に原因が・・・
・全体を見る重要性
◎症例:急性腰痛(30代女性)
その方は富士山に登るためトレーニングを頑張っていたようですが、ある日、下にあるものを拾おうとして腰が痛くなったようです。
当時私は接骨院に勤務していましたが、私がその方を担当したのは、ぎっくり腰になってから2週間後くらいでした。
それまで、4回ぐらい接骨院に通っていたようですが、私が施術をしたときは、前にかがむことができず、しかも、3日後に富士山登山を控えている状態でした。
◎腰以外に原因が・・・
検査の結果、腰部や骨盤に問題にはあまり問題はないようです。
それまでの治療がよかったのかもしれません。
しかし、それでも前にかがめない状態なのは、「腰以外」に問題がある可能性があります。
私は胸椎を検査し、関節の動きが硬いところを見つけました。
そしてその部分を動かしました。
通常、背骨を動かすとなると「ボキボキ」とカイロプラクティックのように矯正する治療を思い浮かべるかもしれませんが、ぎっくり腰で体が動かないのにそのような治療を行うことは患者様の負担になります。
そのようなことをしなくても、柔らかい動きで骨のズレを矯正することはできるのです。
その証として、胸椎を動かした後、その患者様は前屈が痛くなくできるようになりました。
それから3日後、お手紙で無事、富士山に登山できましたとお礼のお手紙をいただきました。
◎全体を見る重要性
ぎっくり腰に限らず、腰の痛みが腰以外からきていることは多々あります。
特に、オステオパシーでは、今回の例でもあった胸椎が原因の腰痛は腰痛全体の60%にも及ぶという研究結果があります。
胸椎のねじれは胸郭をゆがませ、腹筋を緊張させます。
腹筋は骨盤に付着するので、緊張すると大きく骨盤をゆがませてしまいます。
もし、あなたが、なかなか良くならない腰痛に悩んでいるのなら、もっと広い視野で体を見る必要があるのかもしれません。
胸椎に限らず、思わぬ原因が体に隠れている可能性があるのです。