五十肩の病態と治療について➀・・・船橋市のオステオパシー整体

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最近高齢化社会になり、加齢による症状が増えています。

突然の肩の痛みである、五十肩もその一つです。

五十肩は「一年で治る」説を良く患者様から耳にします。

確かに比較的、一年するとコロッと治ってしまう方もいらっしゃいます。

ただ、痛くなってもいつかは治るだろうと放っておいたために、肩の可動制限が一生の後遺症となってしまう方がいらっしゃるのも事実です。

ではそもそも五十肩とはどのようなものなのでしょうか?

今回より、五十肩について何回かに分けて掲載していきたいと思います。

第1回目は五十肩がどのようなものかというお話と、簡単な治療計画についてお話をしていきます。

<目次>
・五十肩の歴史
・五十肩の症状
・五十肩の病態
・五十肩の診断
・急性期の治療計画
・慢性期の治療計画
・回復期の治療計画

 

 

五十肩の歴史

五十肩は江戸時代の書物「俚言集覧」に「長命病」という名前で登場します。当時は短命では50歳くらいだとかなりの長生きだったらしく、丁度そのくらいの年で発症するのでそう呼ばれたようです。

しかし、現代では高齢化社会のため、五十肩の患者様の年齢も高くなってきています。

 

五十肩の症状

肩関節周囲の痛みや、関節の可動範囲の低下が主な症状です。

特に、結滞(腰の後ろで帯を結ぶ動作)や結髪(髪を洗う動作)で不自由を感じることが多いです。

また、急性炎症期では就寝時に方がズキズキ痛む「夜間痛」も特徴的です。

また、後遺症として、肩の可動域が大きく減少する「拘縮」という状態が起こることがあります。

 

五十肩の病態

原因ははっきりしていませんが、関節を構成する、骨、軟骨、人体、腱、関節包、滑液包などが老化のために劣化して関節周囲に炎症が起きるため発症すると言われています。

特に、肩関節の動きを良くするベアリングの役目をする「滑液包」や関節をつつむ「関節包」が癒着を起こすと、拘縮がおきてしまいます。このような状態を肩が「凍ったように動かない」ことから、凍結肩とも言います。

さらに筋にカルシウムが沈着して骨のようになってしまう「石灰化」の状態になる場合もあります。

 

五十肩の診断

詳細に組織の状態を知りたければ、筋肉の状態や関節包、靭帯の状態を見る必要があるので、MRIやCTの検査が有効になります。

また、五十肩を診断する徒手による整形外科テストもあります。

オステオパシーでも整形外科テストやオステオパシー的診断法を使い、受傷組織をある程度特定していきます。

ただ、受傷部位と言っても、筋肉、関節包、関節軟骨、滑液包のいずれかに問題があるのかどうか詳しく調べていかなければならないですし、筋でもどの筋に問題があるのか調べていかなければなりません。

この肩関節を構成する要素が多く、受傷部位を特定しづらいという問題も、肩の治療を難しくしている1つ要因となっています。

また、五十肩の時期によって症状や治療の対応が変わってきます

急性期の治療計画

受傷直後から、2週間〜2か月くらいの間の時期

・激しい痛みがある(じっとしていても痛い)。
・熱感が強い。
・夜寝ていても痛い(夜間痛)。
などの症状が特徴的です。

受傷間もないころは炎症が強いため、痛みが強く、痛みの範囲も肩に限定されている事が多いです。この時期は患部はまだ刺激に対しての耐性がなく、弱い状態です。また、交感神経の亢進とリンパ循環の低下がみられるます。だから、まずはリンパ循環をよくし、交感神経の緊張を抑制し、軽度の筋膜の操作をするとよいです

場合によっては鎮痛のために鍼を行う事もあります。

ただ、急性期に関しましては短時間の治療をおすすめしています

なぜなら、治療の刺激も体に強い反応を起こしてしまう事があるからです。

この時期はコースや時間や料金もご相談で決めさせていただいております

急性期の対処法

・急性期では炎症が強いため、患部を冷やすこと、また、重いものは持たないようにします。
・夜間痛が強いときには枕を高くして首が屈曲するようにすると楽になることがあります。
・三角巾などで腕を吊し肩への負担を減らすのも有効ですが、ファスナーつきの上着をお持ちなら、服の懐に腕を引っ掛けても良いと思います。

慢性期の治療計画

2か月~4か月の間くらいです。

この時期は動かすと痛むが、じっとしているときはあまり痛くない時期です。可動制限があり、さらに肩のみでなく、腕にまで痛みが出てきます。

この時期は損傷した組織に合わせて治療を加えていきます。

また、痛めた部分だけでなく、肩に負担をかける原因となった身体の歪みを取り除き、治癒の早期化、再発の予防に努めます。

さらに運動療法も取り入れ、肩の機能回復に努めます。

慢性期の対処法

・この頃になると、炎症はおさまっているので、組織の循環をよくするため暖めることをお勧めします。
・カイロ、蒸しタオルなどを利用すると良いでしょう。
・運動療法も取り入れて、痛みのない範囲で少しづつ運動をすることが大事になってきます。

 

回復期の治療計画

3か月~6か月くらい

この時期は動かしてもほとんどいたくない状態です。

ただ、ちゃんと治療を受けていないと肩の可動制限が残ってしまう場合があります。つまり、痛みがないけど動かないという状態です。

肩が固まってしまったのは、関節液の循環が悪くなること事が原因の一つとして挙げられます。炎症時の代謝産物が排泄されないと関節液がネバネバの接着剤のようになってしまい、癒着が起こるからです。

また、筋が線維化し、硬くなってしまうのも原因の一つです。

このような方は、関節内の液の循環を良くしてあげること、さらに、硬化した筋肉の柔軟性と収縮力を取り戻してあげなければなりません。

回復期に肩の動きが順調に良くなっているどうかは、急性期にいかに血液、リンパ循環をよくし、代謝産物をとり除くかにかかっています


以上、五十肩の簡単な病態と治療計画についてお話をしました。

先ほどもありましたが、五十肩がよくなるかどうかは関節内の代謝産物をいかに除去するかにかかっています。

よって、五十肩は受傷したらすぐ治療を行う方が治りが早いです

大体、1週間から3週間くらいで良くなる方が多いです。

ただ、慢性期や回復期で肩に制限がある方でも、石灰化や拘縮が強くなければ十分回復する可能性がありますので、ご安心くださいませ。

10か月治らなかった五十肩が2回の治療で全快した方もいます。

まずは、あきらめずにお気軽にご連絡くださいませ。

次回は五十肩のどのように発症するのかお話をしていきます。