千葉県船橋市のオステオパシー整体 かげん鍼灸院・整体院の坪井です。
よくぎっくり腰などのように急に腰の痛みが悪化すると、決まって出来なくなる動作があります。
それは、寝返りです。
腰が痛いのでゆっくり安静にしようと思っても寝返りが出来ないので、寝ていても心身ともに休まりません。
これでは痛みからの回復も遅れてしまいます。
だから、寝返りは痛みが改善するスピードを左右する重要な要素なのですが、腰が急に痛むとなぜ寝返りが出来なくなるのでしょうか?
今日は寝返りで痛む腰痛の原因を解析したいと思います。
ちなみに、この寝返りが出来ない状態は比較的ある骨が動いてなくて起こる事が多いです。
しかも、それは腰から離れた所にある骨です。
皆さんはどこの骨だと思いますか?
寝返りのメカニズム
皆さんは寝返りというと、どういう動作を思い浮かべるでしょうか?
まず、考えられるのは、体を捻る動作です。
確かにそれも重要なのですが、もっと大事な動作があります。
それはお尻を床から持ち上げる動作です。
寝返りが出来ない人の中には、体を捻るだけなら出来る人も比較的います。
でも、共通してお尻を持ち上げる動作はできません。
寝返りはただの捻じりの動作ではなく、腰やお尻を持ち上げる動作も合わさった複合動作なのです。
寝返りで腰が痛い人の特徴
寝返りで腰が痛い人は、まず腰の表層の筋膜が炎症を起こしている人が多いです。
この筋膜は胸腰筋膜といい、背骨を囲う脊柱起立筋や、お腹を覆う腹筋群、お尻の大臀筋や上腕骨から骨盤までつく広背筋という筋肉と関連が深いです。
この筋膜が炎症を起こすと、体を捻る腹筋や、お尻を上げるための大臀筋、脊柱起立筋などがうまく働けなくなるために痛みが出てしまいます。
なら、腹筋、大臀筋、脊柱起立筋にアプローチすれば寝返り出来るようになるのかと思われる人も多いと思います。
でも、もっと大事な所があります。
それは、広背筋です。
皆さんも仰向けで、手・腕を床に付けてお尻を持ち上げるのと、腕を床から離して持ち上げるのでは上げたときの安定性や上げやすさが違うと思います。
これは、腕や手をつくことにより、広背筋を中心とした上半身で体を安定させることにより、お尻を上げやすくしているのです。
つまり、お尻を持ち上げるという動作には上半身の力が補助的に必要になります。
寝返りで腰が痛いのは、この上半身を安定させる機能が破綻してしまっているため、炎症が起きている筋膜に負担がかかり痛みを発生させているのです。
寝返りの痛みから解放されるには
では、寝返りの痛みから解放されるには何をするといのでしょうか?
それは肩甲骨がしっかり機能するようにしてあげることです。
お尻をあげる動作の最中、腕や手で体を支える時に何をしているかと言えば、この肩甲骨を安定させています。
つまり、寝返りが出来ない人は、肩甲骨をうまく安定させる事ができなくなっているのです。
実際に寝返りで腰が痛む人の肩の可動域を見ると、とても固い人が多いです。
人の体は全てがくまなく連動することにより、負担なく動く事ができます。
でも、肩甲骨の動きが固いと、その固い部分を代償して腰周辺が動き過ぎ、ついには筋膜に炎症を起こしてしまいます。
だから、肩甲骨の動きを回復して上げることが大事なのですが、
肩甲骨には全部で17個の筋肉がついており、
また、鎖骨や肋骨の動きも肩甲骨の機能に関わってきます。
その中から、何が1番の問題かを特定して行くことが大事になってきます。
まとめ
寝返りの腰の痛みは肩甲骨の機能低下が関係していて、それを改善するのが痛みから解放される近道となります。
肩甲骨が動けば、炎症をおこした胸腰筋膜への負担も減り、痛みからの回復も早くなるはずです。
腰が痛いからと言って、腰ばかり診るのではなく、広い目で症状を捉える事が大事だと言えます。