月経周期に関わるつらさは女性でなければ分からないといいます。
私は男性なのでそのつらさを全て理解するのは難しいかもしれませんが、少しでもそのつらさを軽減するお手伝いができればと常に心掛けています。
月経周期に関わる症状の中で、生理前に体がつらくなる「月経前緊張症」と呼ばれる症状があります。
腹痛、頭痛、吐き気などいろいろな症状がありますが、その中でも「腰痛」を発症するケースも少なくありません。
月経前緊張症でなぜ腰痛は起こるのでしょうか?
・生理前の腰痛の原因は?
・なぜホルモンの影響で腰痛が出るのか?
・まとめ
◎生理前の腰痛の原因は?
月経前の腰痛の原因の一つとして、ホルモンによる影響があります。
特に月経前に出るプロゲステロンは骨盤周辺に大きな影響を与えます。
プロゲステロンは妊娠期にも重要なホルモンで、骨盤の靭帯を弛緩させ、仙腸関節を緩める役割があります。
これは妊娠時にお腹の赤ちゃんが大きくなるために、骨盤内のスペースを作るために必要な働きなのです。
◎なぜホルモンの影響で腰痛が出るのか?
プロゲステロンが多く放出されても、骨盤の靭帯が柔軟なら問題はありません。
なぜなら、すべての靭帯は均等に緩むため、仙腸関節のアンバランスも発生しないからです。
しかし、骨盤の靭帯にどこかに硬い部分があると、その部分の硬いままでプロゲステロンの作用でも緩みません。そうすると、下の絵のように仙腸関節のアンバランスが生まれてしまいます。
これが腰痛の大きな原因となります。
この場合は、原因となる骨盤の靭帯を緩めてあげると、生理時痛の腰痛が改善する場合があります。
ただ、靭帯は押したりもんでりしてもなかなか改善しないので、オステオパシーでの手技で緩めてあげるのが有効です。
◎まとめ
月経時前の腰痛は仙腸関節のアンバランスによるところが大きいですが、女性特有のホルモンの影響によるところが大きいです。
プロゲステロンはさらに浮腫の原因ともなりやすく、リンパ循環の低下も腰痛に拍車をかけます。
卵子のためには体を温める方がよく、それは総じて、女性の方のお身体全身に言えることなのです。
だから、月経時前には体を温めて、副交感神経を優位にすることが重要です。
そして、体をトータルでケアしていけば、月経時前のお悩みから、徐々に解放されていくことでしょう。