逆流性食道炎は、胃液や、胃の内容物が食道に逆流してそこにとどまることにより、食道が炎症を起こし、胸やけや胸の痛みなどさまざまな症状が起きる病気です。
胃液や胃の内容物は酸性であるために、食道を傷つけてしまいます。
最近増え始めている病気ですが、逆流性食道炎には姿勢の影響が大きく関連しています。
今回は逆流性食道炎についてお話をいたします。
・逆流性食道炎の症状
・逆流性食道炎の原因は?
・なぜ姿勢が悪いと逆流性食道炎になりやすいのか?
・オステオパシーによるが逆流性食道炎の治療
・まとめ
◎逆流性食道炎の症状
逆流性食道炎の症状としては、
・呑・酸(胃酸が上がってくるために酸っぱい感じがする)
・胸やけ
・胸の痛み(狭心症との鑑別が必要です)
・咳、喘息(胃酸が食道や気管を刺激する)
・のどの違和感、声がれ(胃酸でのどが炎症を起こすため)
などがあります。
どれも胃酸が逆流することにより発生する症状です。
◎逆流性食道炎の原因は?
逆流性食道炎は食道の筋肉が弛緩していることにより発生します。
本来、食道と胃の連結部は食べ物が通過しない限りは収縮し、食べ物が逆流しないようになっています。
しかし、食道が弛緩してしまうと、食べ物や胃酸が逆流し、不快な症状を誘発します。
食道が弛緩してしまう理由については諸説様々ですが、逆流性食道炎になりやすい方の特徴として、姿勢が悪い方が多いです。
◎なぜ姿勢が悪いと逆流性食道炎になりやすいのか?
逆流性食道炎の人は胸が丸まっている人が多いです。
◇このような姿勢だと腹部が圧迫されることにより、胃の圧力が上昇し、胃液の逆流を引き起こします。
◇また、姿勢が悪いことにより、背中が丸くなるので、胸椎や肋骨のズレも生じる可能性があります。胸椎や肋骨のズレは内臓への交感神経を刺激し、食道の蠕動運動を低下させます。
◇さらに胸がつぶれたような形になるので、横隔膜も広がりません。
食道は横隔膜を通過後、すぐ胃に連結します。食道の通り道である横隔膜が硬いと、食道がうまく動いてくれません。
また、両肺の間には「縦隔」という膜で覆われた部分があり、そこを食道が通るのですが、この部分も硬くなります。そのことにより、より食道の動きを悪くします。
◎オステオパシーによるが逆流性食道炎の治療
オステオパシーでの逆流性食道炎の治療は以下の治療が必要となります。
・姿勢の改善
・食道、胃への交感神経の抑制
・横隔膜、縦隔の柔軟化
・胃や食道への内臓治療
逆流性食道炎の人は、胸の真ん中や肋骨に圧痛がある方が多いです。
これらは胸椎の歪みのサインだったり、食道や胃の内臓の反応が出ている場合があります。
これらの圧痛が改善し、横隔膜や縦郭にも動きがつくと、交感神経は抑制され内臓の運動も活発化し、症状が軽減していきます。
この時、横隔膜を支配する神経が頸椎から出るので、頸椎の治療を行うとさらに有効です。
◎まとめ
逆流性食道炎の人の中には、効果があるかないか分からないけれども薬を飲んでいるという方も多いです。
何かの効果が出ているならよいのですが、それもないまま服用すれば、副作用による下痢や便秘、肝臓への悪影響の可能性があります。
このようなことを避けるためには、オステオパシーの治療が役に立つはずです。
薬を服用しなければならない方も、その量が治療により、減らせる可能性があります。