デュピュイトラン拘縮とは手のひらから指にかけてこぶのようなものができ、皮膚がひきつれて指が伸びづらくなる症状です。
薬指(環指)、小指に多く見られます。痛みや腫れがないことが特徴です。
手の皮膚と手掌腱膜に問題があり発生すると考えられています。
物が握れるのは、皮膚の下を指の腱がスムーズに滑るからです。
しかし、皮膚や腱を覆う手掌腱膜に異常が出ると、皮膚が腱の動きを邪魔するため、手がひきつれた状態になってしまいます。
原因は不明で、高齢男性、糖尿病患者に多く見られます。
・なぜデュピュイトラン拘縮が起きるのか?
・デュピュイトラン拘縮に対するオステオパシー治療
・まとめ
◎なぜデュピュイトラン拘縮が起きるのか?
デュピュイトラン拘縮では指を曲げる腱が浮き上がっているように感じます。「ばね指のように腱が肥厚しているのかもしれない・・・」と不安になるかもしれませんがご安心下さい。
それは手掌腱膜・・・つまり、腱の外側が肥厚し退縮したもので、指を曲げる屈筋腱は異常はありません。
原因は不明ですが、高齢者や糖尿病患者の方に多いことを考えると、末梢への循環不良のため、手への微細な損傷が治りきらず、硬くなってしまったものと思われます。
そのことを考えると、上肢の循環を良くすることが重要になります。
◎デュピュイトラン拘縮に対するオステオパシー治療
上肢への血流は交感神経が亢進すると、いとも簡単に低下します。
特に、男性や高齢の方、糖尿病の方もそうですが交感神経が亢進しやすいです。
まずは交感神経の亢進を抑制するために、交感神経の走行に関係する胸椎や肋骨への治療が重要になります。
また、上肢の関節や筋膜のアライメントが崩れても循環を障害しますので、関節や筋膜の治療を行います。
特に肘の部分は多くの筋肉が付き、関節構造も複雑なので要注意です。
さらに縮こまった手のひらの筋膜を調整します。
手のひらの筋膜を緩めるにはコツがあります。ただ、引き延ばせばいいものではありません。この方法で治療後すぐ効果のでる方もいらっしゃれば、2,3日後に効果が出る方もいます。
「えっ?こんなことで良くなるの?」と不思議がりますが、デュピュイトラン拘縮オステオパシーの治療で改善に向かう方が多いです。
◎まとめ
デュピュイトラン拘縮は原因不明で、中には手術を勧められる方ももいます。
しかし、オステオパシー的に見れば手技で改善の余地のある症状になります。
もし、お悩みのようでしたら、お気軽にご相談くださいませ。