西船橋オステオパシー かげん鍼灸院・整体院です。
前回、側弯症についてお話しましたが、今回は実際にどのような施術を行うかについて紹介いたします。
(前回の記事はこちら→小児、成人の側弯症について)
特に大人になってから側弯症に気付き、お悩みの方も多いと思います。
そのような方にオステオパシーで何が出来るのかをご説明いたいします。
・なぜ成人になって側弯症に気付くのか?
・子供と大人の側弯症の違い
・側弯症への膜構造の施術
・子供の側弯症について
・側弯症の症例
・まとめ
◎なぜ成人になって側弯症に気付くのか?
側弯症は児童検診で発見されることがほとんどです。
しかし、担当医師によっては残念ながら見過ごされることも多く、大人になってから「腰痛」、「背部痛」、「歩きづらさ」が出て、整形外科に行き初めて気が付かれる方も多いです。
しかも、体に症状として異常が現れるのが60歳過ぎてからの人が多いです。
これはちょうどそのくらいの年齢が、加齢による関節や組織の可動域の低下が積み重なり、体が上手に動かなくなってくる時期と重なるからだと思われます。
通常なら症状が軽症か、「体が動きづらくなってきたな」ぐらいで済むのでしょうが、側弯症の方は体にかかる負担も側弯症がない方と比べて大きくなるので、より明確な症状として現れてしまいます。
しかし、通常、側弯症は治らないものとして整形外科では扱われるので、為す術もなくあきらめてしまう方も多いです。
◎子供と大人の側弯症の違い
確かに成人前に側弯症の治療をすれば、対応次第では側弯の進行を遅らせたり、側弯を軽減させることが可能です。
それは骨が未発達の状態であるため、背骨を良い状態に順応させやすいからです。
一方大人になると、骨の成長が完成してしまうため、一度決まった形から抜け出す事は難しく、しかも側弯症のほとんどが進行性であるため、どんどん側弯が強くなっていく可能性もあります。
ただ、安心していただきたいのは、このような進行性の側弯症も、骨の変形でなく、横隔膜や筋膜、硬膜のねじれ、背骨や骨盤をはじめとする関節の機能障害が進行に拍車をかけている場合がほとんどです。
だから、それらを総合してみて、体が円滑に動くことが出来るようにすれば、体に掛かる負担も減り、症状から解放されることはもちろん、側弯が軽減することも多々あります。
◎側弯症への膜構造の施術
成人の側弯症に対しては、硬膜にねじれが非常に重要です。
硬膜とは頭蓋骨の内側につく膜です。この膜は頭を出ると、背骨を素通りし仙骨に付着します。この膜が捻じれると、頭蓋骨や仙骨、骨盤の歪みを生むだけではなく、背骨をも大きく歪ませます。
そして、この膜を歪ませるのが、横隔膜や、骨盤隔膜、肩周辺の頸胸筋膜です。
側弯症の方はこの「横に張り巡らされた」構造が胸郭や骨盤のねじれのため、緊張しやすいです。
これらの強力な膜構造にアプローチすると、側弯の軽減、痛みや症状の軽減に効果があります。
当院ではクラシカル・オステオパシーで骨格の調整をし、さらに頭蓋仙骨療法で硬膜などの膜構造に働きかけることにより、大きな効果を得ています。
(頭蓋仙骨療法、クラシカル・オステオパシーについてはこちら→オステオパシーの手技の紹介)
◎子供の側弯症について
子供の側弯症の場合は、骨も成長段階であるため、反応も良く、時間も短くて済みます。
おもに骨の調整で十分な事が多いです。
成人前の方は施術が過剰刺激ならぬよう、時間は短めの施術が良いです。当院では短い時間で継続してこ来れるよう、特別コースを設けてありますので、詳しくはお電話にてご連絡くださいませ。
◎側弯症の症例(60代 女性)
事務の仕事をなさっている60代の女性です。右の腰痛と、歩行時の違和感(歩きづらさ)を2カ月前から感じ出し、来院されました。
体が右に傾く感じがし、実際に体の右側が収縮しいます。
さらに、歩行時もよたよたしてしまいスムーズに歩けません。
背部を観察すると側弯症があるようで、ご本人も気付かれていなかったようです。
うまく歩けないのは胸郭のねじれが強く、腰の回旋がスムーズにいかないからです。
また、骨盤隔膜や横隔膜も硬く、そのことがより、側弯を助長してます。
硬膜もスムーズに動いてません。
そこで、頭蓋仙骨療法を中心に頭部まで体の動きを調和させ、硬膜がスムーズに動くように働きかけました。
施術後は歩行がスムーズになり、腰痛も軽減していました。
現在も側弯症のケアのため継続して来院されていますが、腰痛はなく、長い時間歩いても平気になったという事です。
◎まとめ
側弯症は完全に治ることが難しい症状ですが、施術により側弯や症状を軽減するのは可能です。
そして、側弯症を一生お付き合いすること自分の個性だと思って、上手に付き合うことが大切になります。
そのためにも、根気よく継続して来院する事が、健康で快適な生活を送るカギになります。
もしあなたが側弯症でお悩みなら、お気軽にご連絡くださいませ。