手のしびれは神経性に発症することは確かです。
整形外科的には
・脳疾患
・頸椎変形
・頸椎椎間板ヘルニア
・胸郭出口症候群
・手根管症候群
・肘部管症候群
など、様々な要因でしびれが出ます。
しかし、その中でも「整形外科で原因がよくわからないしびれの症状」があります。
もしかしたら皆様の中にも整形外科で、「頸椎の変形」や「ストートネック」のせいで首がしびれると言われてお薬をもらっているにも関わらず、症状が軽快しない方いらっしゃるかもしれません。
このような症状には実は「原因」があるかもしれないのです。
・一般手なしびれのメカニズム
・自律神経でもしびれが出る不思議
・なぜ交感神経が刺激されるか?
・交感神経性の手のしびれの治療
・まとめ
◎一般手なしびれのメカニズム
神経には中枢神経と末梢神経があります。中枢神経は脳や脊髄のこと、末梢神経は中枢神経より枝葉のように出ている神経です。
中枢神経は頭蓋骨や脊髄に守られているので、主に圧迫されやすいのは末梢神経になります。
末梢神経には
・体性神経
・自律神経
があります。
一般的西洋医学では筋肉を動かしたり、体の知覚に関与する体性神経がしびれの要因となります。
この神経が骨や筋肉、椎間板ヘルニアなどに圧迫されるとしびれが出ます。
皆様の中にも、肘をぶつけて手に「電気が走った経験」をした方がいらっしゃるのではなのでしょうか?
これも、肘の内側を通る「尺骨神経」が刺激されることにより出たしびれなのです。
しかし、一般的西洋医学であまり着目されていませんが、オステオパシー的には注目されているしびれの原因があります。
それは「自律神経」によるしびれです。
◎自律神経でもしびれが出る不思議
自律神経は交感神経と副交感神経がありますが、その中でもしびれに関与するのは交感神経です。
整形外科ではしびれがある時、どの肢位でしびれるか、手のどの領域でしびれるか、筋力が低下している動きがあるかなどを確認し、どの体性神経が影響を受けているかを確認しますが、検査結果でどの神経が圧迫されているか特定できない場合があります。
このような場合、「交感神経」が刺激されしびれが出ている可能性が高いです。
交感神経には「血管の収縮」という役割があります。
血管が収縮し、血流が悪くなるととしびれが出てきます。
分かりやすく言うと、正座の時の足のしびれを思い出してみてください。
あのしびれは、脚の血管が正座で圧迫されたことにより発症する現象なのです。
◎なぜ交感神経が刺激されるか?
交感神経が刺激される要素はたくさんあります。
交感神経は、胸椎や腰椎から出て、肋骨のそばを通り、効果器まで行きます。
つまり、胸椎、腰椎、肋骨にズレが生じると、交感神経が刺激され、しびれの原因となります。
特に胸椎の2番~8番は、手などの上肢に行く交感神経が出ていくので、しびれの原因となりやすい部分です。
また、頸椎の両脇にも交感神経の通り道があるので、頸椎のズレも要注意です。
これらのズレが生じる原因は普段の姿勢の問題が大きいです。
背中を丸めたり、首が前に出る状態は、胸椎、肋骨、頸椎をゆがませます。
皆さんも、自分の体を鏡で見て、肩が前に出ていないか、背中が丸まっていないか確認しましょう。
当てはまる人は注意が必要です。
◎交感神経性の手のしびれの治療
オステオパシーでは主に、胸椎、肋骨、頸椎の治療を行います。
血流が回復すれば、それだけでしびれが回復する人もいます。
特に肋骨の治療は重要です。
「肋骨ってずれるの?」と不思議がる人多いですが、手にしびれがある人は肋骨の変位が隠れている場合が多いです。
◎まとめ
以前あるアメリカのオステオパシー・ドクターが、手のしびれを1回の施術で治したのを実際に見たことがあります。その時の症状が交感神経性のしびれでした。
一般西洋医学ではあまり認識されていませんが、その場で治療を見させていただいたのは本当に良い経験になったと思います。
もしかしたら、あなたの手のしびれも交感神経性のものかもしれません。
交感神経性のものならお力になれるかもしれませんので、どうぞお気軽にご相談くださいませ。