西船橋オステオパシー かげん鍼灸院・整体院です。
膝の痛みはいろいろな原因が考えられますが、中には整形外科でその原因がわからないものもあります。
レントゲンや整形外科的なテストにも何の所見も見られないけれども痛みがでる場合は、痛みの原因は膝以外にあると考えてもいいのかもしれませんが、今回はその症例になります。
・原因不明の膝の痛みの症例
・足首や股関節、腕の問題が膝に関与
・歩行時痛がまだ残るが仙骨で・・・
・座骨神経と膝痛の関係
・まとめ
◎原因不明の膝の痛みの症例
70代の女性で歩行困難な右膝の痛みで来院されました。新幹線から降りた時から右膝に痛みがあり、次第に憎悪していきました。来院時は歩行で膝が伸び切らず、右に傾くような形でした。それでも、接骨院での献身的な治療によって、歩けるまで回復したようです。
整形で外科では膝に問題はないという事で、痛み止めだけいただいたようです。
ピーク時は膝を伸ばすのがほぼ出来なかったという事です。
◎足首や股関節、腕の問題が膝に関与
実際に座位で膝を伸ばしていただいたところ、まだ違和感と力の入りずらさはあります。
また、立位で側屈動作を行うと腰に痛みもあります。両臀部や下肢外側の緊張も強いです。
仰向けで膝を伸ばしたまま脚を上げてもらうと、膝の裏に痛みがあるようです。
胸郭のねじれも強く、左側が下がっています。
脚で気になったのは、足首が捻挫のような内返しになっていること、また、ご本人の自覚はなかったようですが、右肩が全然上がらなかったことです。肘のあたりで引っ掛かっているようです。
足首の内側にある後脛骨筋や、右の股関節屈曲筋である大腰筋、右の力こぶである上腕二頭筋に反応が見られます。
これらの筋肉に調整をかけ、さらに胸郭のねじれが改善された時点で、膝を伸ばす動作や仰向けで脚を伸ばして膝を上げる動作は良くなりました。
ただ、先ほどよりはだいぶ良いですが、歩行もまだ右に傾いた姿勢になってしまいます。
◎歩行時痛がまだ残るが仙骨で・・・
この患者様は臀部の緊張が強く、初めの検査でも、ややずれがありました。そしてなにより、仙骨の振幅が減少しています。
仙骨は硬膜を介して呼吸とともに動きます。しかし、この患者様はその振幅が弱いです。
まずは殿筋の筋膜を緩め、その上で仙骨の調整を行いました。
その後歩いていただくと、体と膝を真っすぐ歩けるようになりました。痛みもほぼなくなったようです。
◎座骨神経と膝痛の関係
この患者様の場合、仙骨のねじれた状態で新幹線で長く座っていたためにより大きな負荷が体に加わり、殿筋の緊張を生み、仙骨から出る座骨神経が刺激され下肢後面や膝の裏に痛みが出たものだと思われます。
仙骨の振幅は脳や脊髄の動きに関係します。つまり、仙骨の振幅がないという事は神経系がうまく伝達していないという事になるのです。
座骨神経が緊張すれば太ももの後面のハムストリングスが緊張するため、膝は曲がる方に引っ張られ伸びなくなります。
だんだん痛みが強くなったのも、神経への刺激が徐々に重積され、痛みが大きくなったのだと思います。
ただ、このようになるのは、長時間座ることにより膝痛を発症するぐらいにすでに体が歪んでいたのだという証拠でもあります。
◎まとめ
膝の痛みは複雑で、今回のケースのように整形外科で原因が発見されないケースもあります。
ただ、体のつながりを見れば、今回のケースのように問題が解決する事もあります。
痛みはサインであり、原因ではありません。そのことを念頭に置いて施術を行う事が大事です。