千葉県船橋市のオステオパシー整体 かげん鍼灸院・整体院の坪井です。
このブログでは何回か内臓と体の痛みの関係についてお話してきました。
内臓が腰痛や肩の痛み、膝の痛みに関係していて、実際に内臓を調整するだけでも痛みが大幅に改善することが多々あります。
その理由につきましては、一般的には内臓が筋膜とつながりがあったり、自律神経のつながりで体の痛みに影響を出したりといろいろありますが、
オステオパシー的に考えると、もっと深い所に行きつきます。
それは組織の固有の自動運動です。
オステオパシーでは人体は脳をはじめとして、全ての組織、器官に独自の動きとリズムが備わっていると考えています。
例えば、脳なら膨らんで、しぼむのサイクルを1分間に8~14回繰り返しています。
このようなリズムが全身のいたるところにあると考えていただくといいと思います。
もちろん内臓にも・・・
今回は内臓を調整するとなぜ不調が良くなるのか、この組織の自動運動を中心にオステオパシー的に考察していきます。
内臓の動きについて
オステオパシーでは、内臓には2つの動きがると考えています。
一つは可動力。
これは私たちの呼吸と同調した動きです。
これは内臓固有の動きというよりかは、横隔膜に合わせた動きと言われています。
もう一つは自動力。
これが内臓固有の動きになります。
内臓によって動く方向には違いがありますが、リズムは同じで、
1分間に7~8回のリズムで動いています。
内臓の動きに偏りがなく、1分間に7~8回のリズムで動いているのなら、内臓は健康だといえます。
内臓の動きが乱れるとどうなるのか?
では、内臓の動きに制限が出ると、どのような事が起きるのでしょうか?
まず、内臓の動きは1分間に7~8回です。しかも、訓練した手で辛うじて感じとれるくらいのわずかな動きです。
こんな些細な動きが体に大きな影響を与えるのか不思議に思われるかもしれませんが、
1分間に7~8回の動きでも、1時間で420回~480回、24時間で10,080~11,520回、1カ月で302,400回~345,600回と、積み重ねるととてつもない回数になります。
もし、これだけの回数で内臓の動きが制限されれば、その動きはわずかなものでも全身に影響を与える可能性があることは想像出来ると思います。
内臓の固有力の重要性
内臓の固有力はわずかなものでも、一旦乱れれば、その影響は甚大です。
内臓の制限というと、下がっている内臓を挙げるとか、硬い所緩めるとか、そのように考える人や、そこだけ見ていく先生も多いですが、
実際には、内臓の自動力が回復しなければ、内臓が体に与える影響は改善しないか、その場は良くなってもまた戻ってしまう可能性が高いです。
逆に言えば、胃下垂のように内臓が下がっていても、内臓の動きの可動域やリズムが正常なら、内臓が体に悪影響を与えることはありません。
だから、オステオパシーの先生は内臓の自動力をとても重要視しています。
まとめ
内臓が体の痛みに影響を与えるシステムは、単に筋膜や自律神経の問題だけではなく、深い所まで考えると、内臓そのものの動きも関係します。
人間は構造的なものだけでなく、動きの中でもつながりを持っていて、お互いに関連し合ってます。
そして、オステオパシーでは特に組織のわずかな動きを重視しています。
この繊細に人体を見ていくシステムがオステオパシーの大きな特徴ともいえます。