昨日、私のぎっくり腰(急性腰痛)の事後報告で胸椎と胸郭のお話について触れました。
胸椎は胸郭を構成する要素で肋骨がついており、胸郭はそれ自体が箱型をしていて、可動域も狭いです。よって、いろいろな制限を受けやすい部位なのですぐに動きが悪くなりがちです。
しかし、胸郭は肺や心臓を守り、呼吸の動きを助ける役目があります。
また、胸郭の動きが良いと、呼吸運動がポンプ作用となり、腹部内臓や足のリンパ液を引き上げてくれます。
しかも、胸椎の柔軟性がつけば、肩、首、腰への負担も減るという、まさに一石何鳥もの活躍をしてくれるのです。
そんな胸郭にいい影響を与える簡単な体操がありますので、皆様にご紹介したいと思います。
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・呼吸の重要性
・実際の呼吸方法
◎呼吸の重要性
人の身体は無意識の内に、外的ストレスや内的ストレスに対して身体が対応できるよう、自動的にコントロールされています。それらは自律神経の働きによって行われます。
例えば、寒い時に体が震えて熱を産生したり、食べた時に消化器が活発化するのは、全て自律神経のなせる業なのです。
しかし、人の無意識下で動く自律神経系の働きの中で、唯一意識的にコントロールできるものがあります。
それが呼吸です。
深呼吸をするとリラックスできることは皆様もご存じだと思いますが、この呼吸を使わない手はないのです。
呼吸は酸素を体内に入れ、二酸化炭素を出します。この酸素を使い、細胞はエネルギーを産生し、身体を活性化させています。
人は水や食べ物を摂取しなくともしばらく生きていけますが、数分間息を吸わないだけでも死んでしまいます。
それだけ酸素は大切な身体の「栄養素」なのです。
つまり、呼吸は人が生きてく上でなくてはならない重要な働きなのです。
◎実際の呼吸方法
これから行う呼吸法は、伝説のオステオパシー・ドクターであるロバート・フルフォード氏が考案したものです。
胸郭は息を吸うと広がり、吐くとすぼみます。
特に現代人はパソコンに向かったり常に緊張をしいられるので、自然と息が止まることが多く、呼吸が上手ではないです。さらに呼気傾向にあるので、胸もすぼまり、姿勢も悪くなりがちです。
こうなると、心理的にも緊張が取れず、身体も心も負の方へ向きやすくなります。
そこでこの呼吸法を行う事により、胸郭を柔軟にでき、身体を活性化させることができます。また、精神的な緊張のブロックも外すことができます。
まず椅子に座って姿勢を正します。もし、姿勢をよくしづらいのなら、腕を前方から上げ横からおろし、胸を張るような姿勢になるとよいでしょう。
そして、上あごに舌先を付けます。
そこから、鼻から7秒かかけて息を大きく吸います。そして、7秒息を止めます。
この時、身体は吸気傾向で保持されます。普段広がらない胸郭をこれでストレッチしているのです。
そして、7秒かけて息を吐きます。
本来、呼吸は鼻から行われ、食べるのは口から行われます。鼻で息を吸う事により嗅神経が刺激され、脳のスイッチが入り、呼吸機能が活性化されるのです。
これを7回繰り返します。
できる様なら朝夕、そいて、仕事や家事の合間の緊張する場面で行うとよいでしょう。
終わった後、気持ちよく胸が広がっている事に気付くはずです。
以上、胸郭を柔軟にする呼吸法でした。
緊張を強いられる現代社会において、この呼吸法は大きな助けになるはずです。
私もこの呼吸法を最近していなかったので、ぎっくり腰予防のためにも取り入れていきたいと思います。