西船橋オステオパシー かげん鍼灸院・整体院です。
私たちが、意外と多く動かす関節の一つに顎関節があります。人は食べたりしゃべったりと必ず顎の関節を動かします。
だから、顎が痛くなってしまうと食べ物の摂取が困難となり、さらに咀嚼もできないまま食物が胃腸に流れ込むため、胃炎や便秘の原因ともなりやすいです。
この顎関節症の原因の一つとして肩の問題が挙げられます。
今回は顎関節症と肩の関係性についてのお話です。もしかしたら、あなたの顎も肩の状態が関係しているかもしれません。
・顎関節症はなぜ起きるのか?
・顎関節症の原因となる体型と筋肉は?
・まとめ
◎顎関節症はなぜ起きるのか?
顎関節症とは、顎関節の機能異常の事です。通常口が開けづらく、痛みを伴います。口を開けた時、3横指の広さで口が開かなければ、顎関節症の疑いがあります。
顎関節は側頭骨と下顎骨で構成された関節で、頭蓋骨の中で唯一関節包がある関節として知られています。
顎の関節は可動域が大きい分、関節を包む関節包も緩く、構造的には強い関節ではありません。「顎が外れる」のは、顎のこの緩い構造とも関係します。
その反面、周りには強い筋肉である「咀嚼筋」と呼ばれる、物を噛むための筋肉が多くついていて、顎関節をしっかりと固定しています。しかし、顎の筋の緊張が左右でアンバランスになると、偏った噛み方になってしまい、結果、顎関節に負担をかけ、顎関節症を引き起こします。
咀嚼筋の緊張は歯の問題による噛み合わせだけでなく、ストレスの防御反応により歯を食いしばることによっても発生します。
しかし、顎の筋肉のバランスを崩す要因はこれだけではありません。
その要因の一つとして肩の問題、特に、肩に対するある体型が顎関節症に大きく結びついています。
◎顎関節症の原因となる体型と筋肉は?
顎関節症になる人で多いのが痛い顎側の肩が「巻き肩」、つまり肩が内側に入っている状態になっているという事です。
巻き肩で緊張する筋肉は体の深層の筋肉で、顎の筋肉までつながります。このつながりを通して、咀嚼筋が引っ張られ、顎が開きづらくなることがあります。
このような巻き肩の人は、朝方特に顎が痛いと訴える人もいます。それは、寝ることににより、巻き肩だった肩が重力によりベッドの方へ引っ張られ、無理やり胸を開かれるので、それに対抗しようと胸の筋肉が緊張してしまうために発生するのです。
だからこの巻き肩が改善されると、顎関節症が改善する可能性があります。
そのためには胸椎、肩甲骨、肋骨の問題なども見ていかなければなりませんが、筋肉でいえば、小胸筋という胸の奥にある筋肉が重要です。肩甲骨を肋骨に押し付け、肩を内巻きに引っ張るこの筋肉は、筋膜のつながりを通じて顎の筋肉に十分に影響を与えます。
◎まとめ
顎関節症には多くの原因が考えられますが、今回は
①巻き肩の構造が顎関節症に大きく関係する。
②その中でも小胸筋は重要な筋肉の一つである。
というお話をしました。
普段からデスクワークなどで胸が丸まった姿勢をする方は要注意です。
両腕を広げて胸を伸ばすなど、普段からのケアが重要になります。