かげん鍼灸院・整体院の坪井です。
今回は感染症とオステオパシーのお話です。
今、コロナウィルスによる脅威が全世界に広まっています。
ワクチンや症状を抑える薬が開発されればいいのですが、それまでは不安の中で過ごされている方もいると思います。
そんな中で、オステオパシーに出来ることをお伝え出来ればと思いこの記事を書かせて頂きました。
なぜ整体である当院が、このような記事を書こうと思ったのかと言えば、
オステオパシーでは感染症に対して次のようなデータが残っているからです。
1918年の当時、まだ抗生物質も発見されていないアメリカで、約10万人の感染者を対象にして行われた研究結果です。
●オステオパシーを受けた感染者の
肺炎発症率 10%
死亡率 0.25%に対し
●薬物療法を受けた感染者の
肺炎発症率 30~60%
死亡率 5%
当時の研究結果の信頼性がどのくらいかは分かりませんが、感染症にオステオパシーは有効なのは確かです。
だから今回だけでなく、オステオパシー医学の見地から感染症に対して何をしていくべきか、引き続きブログにアップしていこうと思っています。
この記事により、皆様の不安が少しでも解消されることを切に願っております。
感染症について
まず、感染症とはそもそもなんなのでしょうか?
感染症とは体内に病原体がはいり、病気がうつることにより発生する症状です。
ちなみに感染する病原体は2種類あります。
一つは細菌、もう一つはウィルスです。
この2つには大きな違いがあります。重要なポイントだけ言うと、
・大きさは細菌よりもウィルスの方が小さい
・細菌は一つの部位に感染、ウィルスは多部位に感染
という特徴があります。
これだけ見ても細菌とウィルスの違いにピンと来ない人も多いと思います。そこで、風邪を例にあげて説明します。
一般的に「風邪」っぽい症状に細菌性のものとウィルス性のものがあります。
細菌性のものは喉だけ、鼻だけと一部位のみしか感染しません。
しかし、医学的に風邪と定義されるものは、喉の症状、鼻の症状、発熱などの複合的症状を発症するウィルス感染症のものとされています。
だから、
風邪っぽいなあと言う症状のほとんどがウィルス性と言えます(ちなみに細菌感染による風邪に似た症状は、細菌性上気道炎と言います)。
そして、風邪の厄介なところは原因となるウィルスの種類が多すぎるので、もし、ワクチンで予防しようと思ったら多数のワクチンを接種しなければなりません。
これが風邪をワクチン投与して予防させたり、根治させることができない理由でもあります。
感染症とお薬
つい最近までは風邪に抗生物質を処方されることがありました。しかし、その定説が誤りであるということが認識されつつあります。
なぜ抗生物質は風邪に効かないのでしょう?
それは抗生物質は細菌感染に対して処方されるお薬なので、ウィルス感染症である風邪には効果がないからです。
昔はウィルス感染により体が弱くなることによって起こる、細菌からの2次感染を防ぐために処方するという考えもあったようです。しかし、細菌も生物なので、生き残るためにお薬に対する耐性をつけて強力になってしまいます(薬剤耐性菌)。特に免疫の落ちた体ではそのような現象が起こりやすいので、非常に危険です。
また、風邪やインフルエンザのウィルスは常に進化して形を変えていきます。だから、ワクチンも絶対的に効果があるとは限らないのです。
そのような理由で、風邪、インフルエンザには特効薬なく、対処療法にとどまっているのが現状です。
ただ、対処療法であっても症状を抑えてくれるものがあればいいです。しかし、コロナウィルスはそれすらも特定できていないところが大きな問題ではあります。
では、ウィルスに対抗するにはどうしたらいいのでしょうか?
そこで重要なのが免疫です。
同じような環境でも感染症にかかる人もいれば、その影響を受けない人もいるのは免疫力に違いがあるからです。
つまり、免疫力が高ければ感染症に強い体を作ることができます。
免疫とウィルス
免疫とは体に入ってきた異物に対抗するシステムです。
このシステムがしっかり働けば、体にとって部外者であるウィルスに対抗できる力を持つことが出来ます。
免疫力を上げるという事は、生理学的に見れば免疫のバランスを整えることです。
一口に免疫と言っても種類があり、そのバランスが非常に重要なのです。
免疫で活動するのは白血球です。
白血球には3種類あり、単球、顆粒球、リンパ球があります。
そしてこの中で、大きな異物に働くのは顆粒球、小さな異物に働くのはリンパ球になります。
ここでお気付きの方もいるかもしれませんが、冒頭で述べたように、ウィルスは小さい異物です。
だから、風邪やインフルエンザなどのウィルス性の感染症を防ぐには、リンパ球の活躍が必須となります。
ちなみに自分の免疫の状態を見るのには血液検査の結果が良い目安となります。白血球の血液成分の内、リンパ球の割合が35~41%だと免疫状態は良好だと言えます。
では、リンパ球を活性化させるにはどうしたらよいのでしょうか?
その鍵となるのが自律神経です。
自律神経と免疫活動には相関性があり、自律神経を整えることがリンパ球を活性化させ、免疫力をあげることにつながります。
自律神経と免疫の関係
自律神経とは生命が体に加わるストレスに対抗して生きていけるように、自動的に体の機能をコントロールする神経のことです。
例えば、暑いときに汗をかいて熱を放散したり、寒いとき体が震えることにより、熱を産生のは自律神経のによる無意識の反応です。
そして、この自律神経の重要な働きの一つに免疫の調整があります。
だから、自律神経が整えば免疫力が向上するのですが、
この時に重要なのが、副交感神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経という2種類の神経があります。
交感神経は活動的だったり、緊急事態で身を守る時に働く神経で、
一方、副交感神経は栄養の吸収や体を休ませるなど、体力を回復させるために働く神経です。
そして、あまり知られていないかもしれませんが自律神経の種類によって活性化される免疫に違いがあります。交感神経では顆粒球、副交感神経ではリンパ球が働きやすくなります。
つまり、
ウィルス感染症に対抗するためには交感神経の活動より、リンパ球を元気にする副交感神経を活性化させることが大事になってきます。
特に現代人は生活のほとんどが仕事や勉強で占められていて、常に緊張状態にあります。
このような副交感神経が抑制され交感神経優位な状態が続けば、免疫は低下し、ウィルス感染症にもかかりやすくなります。
だから自律神経のバランスを整える必要があるのですが、一度崩れたバランスを自分で戻すのは、多忙な生活パターンでは正直困難でしょう。
そこで、オステオパシーで自律神経を整えることが、免疫力をあげる大きな助けとなります。
オステオパシーにできること
オステオパシーでは過去に、感染症から多くの命を救った歴史があります。
それは、100年前のアメリカでインフルエンザがイタリア熱と呼ばれ大流行していたときのことです。
オステオパシーを使う医師がワクチンも対処薬もない症状を、手技療法によって改善させていったのです。
そして、その時に行ったのが自律神経の調整です。
オステオパシーでは、自律神経を整え、
酸素を取り入れるために呼吸器系、その酸素を体中に行き渡らせるために循環器系、そして、免疫を活性化させるためにリンパ系や肝臓、脾臓などにアプローチしていきます。
特に自律神経には背骨の歪みが大きく影響するので、姿勢が悪い人は要注意です。
このように自律神経のバランスを整えて行けば、免疫力も強化され、感染症にかかりづらい体になります。
さらに当院では免疫をあげるポイントもアドバイスしていきます。
そのお話は引き続きブログ内で紹介させて頂きます。
まとめ
ここまで長い記事を読んで頂きありがとうございました。
風邪やインフルエンザなどのウィルス感染症には免疫をあげること、特にリンパ球を活性化させるために自律神経を整え、副交感神経をあるべき機能に戻してあげることが重要だというお話をして来ました。
そして、オステオパシーではそれを実行してきた歴史とエビデンスがあります。
感染症に対する不安が駆け巡り、仕事や家事、勉強にも影響が出てお困りの方も多いと思います。
当院のオステオパシーがそんな皆様の助けになれるよう日々施術に取り組んでおります。
もし、ご質問等ございましたら、お気軽にご相談くださいませ。