慢性的な五十肩とリンパ循環について・・・船橋市のオステオパシー整体

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以前、五十肩についてシリーズで紹介した事がありますが、慢性的な五十肩においては治癒まで時間がかかることをお話しました。

 

しかし、リンパ循環の改善が治癒への大きな助けになることがあります。

そこで、今回は慢性の五十肩とリンパ循環についてお話を致します。

 

 

リンパ循環について

リンパ循環の例

 

人間には動脈で運ばれた体液を回収する道が二通りあります。

それは、静脈と「リンパ」です。

 

リンパシステムとは血管とは別にある体中の液体を循環させるシステムです。役割は老廃物の除去と免疫機能です。

運ぶものはリンパ液になります。

 

リンパ液とは、毛細血管から漏れ出してきた液体のことです。

もれ出てきた液体には細胞からでた老廃物が含まれており、リンパ液のなかに出されるか、静脈に排泄されます。

 

このように、リンパ液の成分は、ほとんどが水分と老廃物で、一部にリンパ球などの免疫細胞が含まれていて、病原菌から身体を守っています。

 

ちなみにリンパ管は非常にもろい構造をしており、ちょっとした捻じれや圧迫などの外力により影響を受けやすく、すぐ循環不良に陥ります。

 

また、リンパ管は交感神経性に収縮するので、交感神経優位だと流れが滞りやすくなります

 

五十肩とリンパ循環の関係

リンパのうっ滞は肩の筋膜を硬くします。

 

五十肩に限らず、組織が傷つけられると、それを治そうと体は炎症反応を起こします。

炎症がおさまると、傷の修復の第一段階が終わりなのですが、組織の周辺には炎症の化学反応で発生した老廃物が溜まってしまいます。

 

老廃物がたまった組織は通常の何十倍の酸素を必要とします。このように、酸素が行き届きづらくなった組織は酸素不足になります。また、老廃物は「毒」となるため、組織は線維化し、硬く、弱くなります

 

この反応は受傷時にすぐ治療をすれば、防げる可能性があります。

なぜなら、受傷時に交感神経の亢進を必要以上に増加させないようにすれば、リンパ管の収縮が起こらず、リンパ循環の停滞が起こらないからです。

 

だから、急性期に処置すれば円滑なリンパ循環を確保できますが、慢性期にはなると交感神経によるリンパ循環の負の連鎖が達成されてしまっているので、なかなか症状が改善しづらいのです。

 

このような負の連鎖を断ち切るのに、リンパへのアプローチが有効となります。

リンパ管に働きかけると組織が緩みます

リンパ循環には複雑な走行があります。

慢性期の五十肩の方は、肩周辺、腕、胸部、背部や肋間のリンパ管の走行が通常の方向から逸脱していることがあります。

このような部分はリンパ液がうっ滞しているので、皮膚がぼんやりと水っぽい感じになります。

これは交感神経性の組織の緊張が、リンパ管の走行に問題を起こさせているからだと考えられます。

 

しかし、このようなリンパ管でもリンパ液の流れを追ってアプローチすると走行が改善し、交感神経性の組織の緊張もなくなり、筋肉もふわふわに緩んできます。

 

特に慢性期の五十肩のリンパ循環不良に手を施すと、肩関節の可動域も増幅してきます。

 

さらにそこへ、筋膜リリースや関節へのアプローチをすると非常に効果的です。

 

 

まとめ

慢性の五十肩は治りづらいと言われていますが、このようにリンパ循環へのアプローチが非常に有効となります。

 

リンパ循環を良くすることのメリットは、効果が持続し、交感神経も鎮静化するので、組織の回復や鎮痛に非常に有効だという事です。

 

ただ、リンパへのアプローチはとてもソフトなタッチで行われなければならず、また、リンパ液の循環を感じるのにも修練が必要です。

特にリンパ節を切除した方は、リンパの側副路を解放してあげなければならないので、繊細な技術が必要となります。

よって、信頼のおけるオステオパスのもとで治療を受けることをお勧めいたします。