トリガーポイントという言葉をご存知でしょうか?
以前、某有名健康番組でも取り上げられたことがあるので知っている方も多いかもしれません。
トリガーポイントとは、筋・筋膜上にできる圧痛点の事で、これがあなたを悩ます症状の原因になっていることもあります。
今回はトリガーポイントについてお話をします。
・トリガーポイントとは?
・関連痛とは?
・トリガーポイントの治療
・まとめ
◎トリガーポイントとは?
トリガーポイントとは、まさに痛みの「引き金」となるポイントです。
トリガーポイントは特定の筋の使い過ぎや、姿勢による負荷により、筋膜上に「痛みに過敏な」箇所が構築される事により発生します。
筋の酷使で組織が炎症を起こしたのち、筋膜が癒着することにより発生するのではないかと言われています。
また、筋、筋膜のみでなく、靭帯、脂肪組織などにも発生するようです。
◎関連痛とは?
トリガーポイントの特徴として、「関連痛」が挙げられます。
関連痛とは、症状の原因部分から放散するように発生する痛みの事です。
例えば、五十肩の原因となる「棘下筋」のトリガーポイントと関連痛の位置は以下のようになります。
御覧のとおり、トリガーポイントと痛みが発生する位置が離れています。
よく、五十肩では腕まで痛みが出る方が多いですが、痛い部分とその原因が別の位置にあることに注目していただきたいです。
また、腰痛の原因となる「腰方形筋」のトリガーポイントと関連痛は以下の通りです。
御覧のとおり、痛みがおしりにあっても、その原因がもっと上に隠れているのです。
このように、トリガーポイントはそれ自体は小さいのに痛みを広範囲に発生させます。
◎トリガーポイントの治療
トリガーポイントで発生した関連痛は、痛いからと言って痛みの部分を押したりもんだりしても、症状が変わらないのは言うまでもありません。
関連痛は、トリガーポイントが動きなどにより刺激される事で発生します。
だから、そのおおもととなるトリガーポイントの硬結を緩めれば問題は解決します。
トリガーポイントの目安は、「押すと関連痛が発生する位置」になります。
トリガーポイントを押圧すると、関連痛の範囲にじんわり痛みが発生しますが、それは心地よい痛みです。
これを続けていくと筋膜の硬結がなくなり、関連痛は軽減し、症状は改善します。
◎まとめ
トリガーポイントは痛みの原因として、多くの治療手技に応用されています。
しかし、トリガーポイントは、体の癖が固着化したところなので、1回では完全に症状が改善しないことが多いです。
つまり、痛みの除去まで多少時間がかかります。
ただ、可動域の改善や痛みの軽減などは見られるので、治療ごとに症状は確実に改善していきます。
長く構築された痛みは、治癒にも時間がかかることを念頭に置いて治療を受けて頂ければ、治療ごとに症状の変化を実感していただけるはずです。