肩の痛みは複雑です。
特に「肩を動かすと痛い症状」については、その痛みが関節の問題なのか、筋肉の問題なのか見分けるのが難しいところです。
一般的に肩の痛みというと、肩の筋肉の損傷や五十肩などが多いですが、その中でも「肩の構造に関係のない」部位が原因で発症する肩の痛みもあります。
今回はその症例を含めてお話をいたします。
・肩と腰の痛み(50代 女性)
・肩以外の構造が肩を痛くする理由
・まとめ
◎肩と腰の痛み(50代 女性)
その方は腰の痛みで来院しましたが、左肩に10年来の五十肩様の症状を抱えていました。
肩を大きく上に挙げなければ痛みも出ないのでほっといたようですが、肩を挙げてみると肩より少し高い位置までしか上がりません。
肩周辺の筋肉には強い異常は認められず、肩から遠い胸椎や肋骨を調べたとき、第2肋骨に強い圧痛が見られました。
そこで、第2肋骨に手技を施すと、肩が驚くほど上がるようになりました。
それから次回の来院時には肩の痛みはなくなってました。
◎肩以外の構造が肩を痛くする理由
肩は肩関節のみで動くように思われるかもしれませんが、実際は胸椎、胸骨、鎖骨、肩甲骨、肋骨、上腕骨で構成される関節が連動して動いています。
これらの関節のどこか一つに問題があれば肩に痛みを発生することがあります。
今回の肋骨もそうですが、肋骨は肩の動きと連動して上下に動きます。
例えば肘を伸ばして腕を下ろし、どこでもいいので、胸の上から肋骨に触れて、手首をねじってみましょう。
そのねじれの動きに合わせて肋骨が微細に動くのが感じられると思います。
このようにこのように、肋骨は肩の動きに大きく関わります。
今回のケースでは第2肋骨が下に下がり動かなくなっていたため、肩を挙げると肋骨が上がらず、引っかかるため痛みが発症したものだと思われます。
◎まとめ
このように肩の痛みといっても肩のみ原因で発症しないものがいくつかあります。
五十肩や、筋肉の損傷だと思っていた肩の痛みに意外な原因が隠れているかもしれません。
オステオパシーでは肩の痛みを広範な目で見て、痛みを改善していきます。
もし、あなたが改善しない方の痛みでお悩みならお気軽にご相談くださいませ。