腰から下肢の痛みと骨盤の問題・・・船橋市のオステオパシー整体

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西船橋オステオパシー かげん鍼灸院・整体院です。

 

腰痛や下肢の痛みに骨盤の問題が良く取り上げられますが、実際は骨盤だけを治しても痛みが大きく変わることは少ないです。

なぜなら、骨盤の歪みはあくまで2次的なことが多く、大きな問題は他に隠れていることが多いからです。

実際、大きな問題が解決すれば骨盤もそろってしまう事がほとんどです。

 

しかし、骨盤が症状の問題として大きく症状に関わっている場合もあります。

 

それは骨盤が生理的な動きから逸脱した状態になった時です。

 

今回は骨盤の中でも見逃してはいけない所見について、その症例と合わして紹介いたします。

<目次>
・骨盤の歪みとは?
・寛骨の「せん断」に要注意!
・寛骨のせん断の症例
・まとめ

骨盤の歪みとは?

骨盤の構造

骨盤は仙骨という骨と寛骨という骨で構成されています。骨盤は蝶々の形に似ていて、蝶々の胴体を仙骨とすると、羽の部分は寛骨になります。そして、蝶々の胴と羽のつなぎ目の部分が仙腸関節と呼ばれる部分になります。

 

骨盤のねじれとは、蝶々の胴と羽の間で起こります。つまり、仙腸関節で仙骨と寛骨が互いにねじれ合うことにより骨盤の歪みが起こるのです

 

通常は寛骨が仙骨の上で縦回転するようにねじれます。

 

このねじれは仙骨の軸上で寛骨が回転している動きです。もともと寛骨は歩行の際にも仙骨の軸上で回転して動きます。だから、寛骨が回転してねじれているならよほどでない限り、大きな問題となることはありません。

 

しかし、この生理的な動きから骨盤が逸脱した状態になっていることがあります。寛骨のせん断と呼ばれる状態です。

 

寛骨の「せん断」に要注意!

寛骨は先ほどもお話したように、仙骨上で回転するようにねじれる事が多いです。

しかし、これが仙骨上で上下にズレるように変位する場合があります

 

これは本来の骨盤の生理的動きから逸脱した動きです。このズレを「せん断」と言います。

寛骨と仙骨の剪断のメカニズム

 

寛骨がこのようなズレを起こすと仙骨上でがっちりと固まってしまい、まさに仙腸関節が動かない状態になります。

 

この状態で過ごしていると、初期はズレが起きた側の腰や下肢に痛みを感じますが、時間の経過とともに反対側の仙腸関節に痛みを感じるようになります

 

なぜなら、固まった仙腸関節を代償しようとして反対側の仙腸関節が頑張って動き、負担がかかってしまうからです。

 

いずれにしても、痛みの大きな原因となります。

寛骨のせん断の症例

このせん断は見過ごされやすく、施術をしても繰り返す腰痛の原因となることがあります。

 

ちなみに力仕事や荷物を持つ癖で片足に体重をかける事が多い人に発生しやすいです。

ぎっくり腰の原因は意外なところにありました。

 

先日、寛骨のせん断がある患者様の施術をしました。

 

1週間前より右の腰と下肢の歩行時痛があり、伏臥位でもしびれが下肢後面に出ます。接骨院に行きましたが良くならなかったようです。

 

パッと見ただけでも、右の寛骨が上がっているのが分かります。検査すると実際に右の寛骨がせん断を起こしていました。

 

せん断を治すと、痛みは8割がた消失しました。また、寛骨のせん断のせいか、頭蓋骨の動きも硬かったので、調整すると痛みは完全に消失しました。

 

最近、仕事の資料のはいった重いカバンを右の肩かけて歩くことが多かったようです。そのために右足に荷重がかかり、寛骨がせん断したものだと思われます。

まとめ

骨盤の非生理的なズレは意外と見過ごされやすく、腰痛や下肢の痛みだけでなく、肩や頭痛の原因ともなります

 

せん断がある側の骨盤は高く上がっていることが多いです。

もし、ご自分の骨盤の高さの左右差が大きいなら、仙骨のせん断の可能性も視野に入れた方が良いかもしれません。