五十肩の病態と治療について⑤(急性期の症例)・・・船橋市のオステオパシー整体

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今回は急性期の五十肩の症例をご紹介いたします。

 

五十肩の急性期の治療の所で大事な事は以下の3つです。
・リンパ循環を良くする。
・交感神経の興奮を抑制する。
・筋膜を操作する。

 

しかし、急性期は肝臓、腎臓に問題があると好転反応により、治療後痛みが強くなることもあります

今回は、そのことも踏まえた急性期時の五十肩の症例を紹介していきたいと思います。

 

症例 五十肩(右側)(女性 70代 主婦)

この方は前日に家の中を片付けをしている最中に突然肩が痛くなり、翌日に来院されました。

肩の前面を中心に肩全体が痛く、腕を上げても20度ぐらいまでしか上がりません。

熱感もありました。

治療1日目

この患者様は仰向けと患側が上の側臥位は可能でした。

まずは仰向けで、頭部より体液循環を良くする手技を行いました。この手技は、全身の炎症症状を抑えるのに有効な手技です。

さらにリンパ循環を良くするために、頚胸部の筋膜と横隔膜を解放し、頚部のリンパ循環もよくしました。

リンパ治療の例(頚胸筋膜の治療)

今度は側臥位で肋骨に対して手技を行います。これは、交感神経の興奮を抑制するのに有効です。

そして、軽度に筋膜の操作を行い終了しました。

 

これだけでも、肩が90度まで上がるようになりました。

 

患者様には様子を見たいので、20~30分の施術で、しばらくは毎日来ることをお勧めしました。

 

通常、毎日の来院は勧めないのですが、その方が高血圧の薬を服用している事が気になっていました。

 

高血圧の薬は腎臓に負担がきます。

 

万が一好転反応になる可能性を考えて、翌日様子を見たかったからです。

治療2日目

心配していたことが起きました。

明け方頃から、肩が痛み出したようです。

ただ、肩の角度は45度まであがり、昨日の治療前よりかは動くようです。

 

調べてみると、右の腎臓の方へ筋膜が引っ張られる感じがあります。

 

そこで、腎臓のバランスをとると、肩が80度まで上がりました。

 

そして、リンパ循環と肋骨、筋膜、肋骨に手を施すと、100度まで上がるようになりました。

念のため、腎臓の様子も確認し、大丈夫そうなので、その日は終わりにしました。

治療3日目

3日目は、90度まで肩が上がるようになっていて、痛みもだいぶおさまったようです。

今回はいつもの手技に合わせて、胸椎の手技を加え、骨盤と腰椎の関係も調整しました。身体全体の統合性が取れると、治癒力も上がり、痛みも軽減しやすいです。

この日は治療後120度まで上がるようになりました。

治療4日目以降

4日目からは炎症もおさまってきたので、肩や腕に軽度の筋膜操作をさらに加えていきました。

そして、日を追って肩の可動域がつくにしたがい、鎖骨〜手首までバランスをとり、回旋筋腱板の内、肩甲下筋に問題があったので、そこも手を施しました。

鎖骨への治療の例

 

7日目には160度くらいまで腕も上がり、痛みもだいぶ減っていました。あともう少しというところです。

 

ここで肩甲骨の動きを確認し、前鋸筋(肩甲骨を胸郭につなぎとめる筋)が硬いので、そこへアプローチすると、「カコン」と音が鳴り、腕が180度まで上がるようになりました。

 

痛みもないようです。

 

それからは週一回のペースで3度来院して頂き、全快致しました。


五十肩は痛めたらすぐ治療すれば回復もはやいです。

 

痛めたその日もしくは次の日から来院されると、大体1~2週間で軽快します。

 

また、好転反応が出ても肝臓や腎臓の機能を活性化させると痛みが軽減します。

 

五十肩の急性期の症状はこまめに来院した方が良いので、その時の患者様の状態に応じて、特別に時間や料金を提案させて頂いております。

痛くなりましたらすぐご来院くださいませ。

 

次回は慢性期の五十肩の症例です。