(内臓と腰痛の関係についてはこちら→内臓性の腰痛ついて)
「痛みの位置と原因が必ずしも一致しない」症状として代表的なのが内臓の障害による体の痛みです。
内臓の障害は交感神経を介して体に思わぬ痛みを異常の「サイン」として表出させます。
そして、そのサインを聞き取れるかが、オステオパスとして大事な使命になってきます。
今回は内臓疾患により発生する腰痛の症例を紹介いたします。
体の異常は必ず、何らかのサインとなって現れます。
今回はそのことを改めて考えさせられた症例です。
・腰から背中にかけての痛み(60代女性)
・病院で検査を受けたら・・・
・まとめ
◎腰から背中にかけての痛み(60代女性)
その患者様は1か月ぶりに来院されて、腰から背中にかけての痛みを訴えていました。
比較的腰背部には痛みが出ることが多い患者様だったのですが、気持ち悪くなることもあり、頭痛が起きることもあるという事です。
お腹を触るといつもよりぶよぶよした感じがしました。お腹にある交感神経の反応点にも圧痛があります。
お腹に手を置くと胃に引っ張られている感じがします。
うつ伏せで腰から背中の筋肉を触ると、弱く過敏な感じがしました。
特に、胃の交感神経に関係がある胸椎5番から9番の左側の筋肉の張りが強いです。
◎病院で検査を受けたら・・・
まず、交感神経を抑制するため、脊柱や肋骨を調整し、腹部の循環を良くするため、横隔膜へ手技を施しました。
最後に横隔膜の動きをより活性化させるために、頸椎の調整を行いました。頸椎からは横隔膜を支配する神経が出ています。
お腹の圧痛も消失し、腰や背中も楽になったようです。
気持ち悪さもありません。
しかし念のため、私は胃炎の可能性も考えて、病院で検査をしてもらうことをお勧めました。
それからお電話が来まして、病院で検査をしたところ初期の胃がんだったようです。
内視鏡の手術で済んだようで、今では元気に過ごされています。
◎まとめ
内臓は特に見えない部分ですので、大事なものを見逃してしまうことがあります。
しかし、体はそのサインを体のどこかに表してくれることがあります。
私もお医者さんではないので、確実にそこに何があるかは特定できないですが、オステオパシーを学んだおかげで、そこにある「異常」には敏感になったのだと思います。
もし自分で確認する場合は、器質的な内臓性の痛みはその内臓の付近を背部からたたくと中に響くように痛む時があります。
「もしかしたら」と思ったら参考にしていただければと思います。