皆様の中には、急に腰が痛くなった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないのでしょうか?
かく言う私も恥ずかしながら、何度もそのような状態になったことがあります。
このような症状は「ぎっくり腰」と呼ばれ、「魔女の一撃」と言われるほどの猛烈な腰の痛みに突然襲われる状態のことを言います。
整形外科的には「急性腰痛」と言われ、接骨院でも治療の対象となる症状です。
その発生機序も明らかに重いものや負担のかかる動きをしてなるものから、ちょっとかがんだだけとか、くしゃみをしただけでなるものまで様々なパターンがあります。
当院では、ぎっくり腰でも状態によって対処が違います。
大きく分けて次の3つが挙げられます。
◎明かに炎症のあるもの
筋肉や筋膜にはっきりと炎症があるものや、背骨の靭帯に何かしら損傷がある可能性があるものは、患部を触ると熱感がありますので、ビニール袋に水と氷を入れたもので20分くらい冷やしてあげると、炎症と痛みを和らげのには有効です。
また、炎症がある際には、当院ではあまり長い時間の施術は勧めておりません。
身体が明らかにストレスに対する耐性をなくしているので、そのようなときは施術での刺激も明らかなストレスとなりえます。
だから、最低限の手を施し、患者様の治癒力が回復するきっかけ与えることだけに留意します。
その後、3日くらいすると身体も治癒力を取り戻しはじめ、耐性もついてくるので、ここで患者様の体力に合わせ施術を行っていきます。
◎炎症の所見がないもの
整形外科的な急性腰痛とは、筋や筋膜が損傷したり、背骨の靭帯が損傷したりと明かな組織の損傷があるものをさします。
しかし、中には炎症の所見がないのにぎっくり腰を発症する場合もあります。
この場合は筋や靭帯が突然緊張を強いられ、それが神経に記憶として残されてしまったことが原因で発生します。
神経に焼き付いた記憶は筋や靭帯をストレッチしたり、もんだりしても解消されないどころか、逆に余計に症状を悪化させることがあります。
この時はオステオパシーの手技が非常に効果を発揮することが多いです。
◎病院への診断を要するもの
急に腰が痛くなったのと同時に以下のような症状や状態があった場合は、整形外科で一度診断を仰ぐことをお勧めしてます。
・下肢がしびれる。
・自分の意志に反して排尿や排便がおこってしまう。
・腹部にも強い痛みがある。
・転倒してしりもちをついた(特に高齢の方は圧迫骨折の可能性があります)
このように、ぎっくり腰といっても、その状態によって対処は違ってきます。
ただ、ぎっくり腰は「体がやすみたがっているサイン」ともいう話もありますので、いずれにしても普段の生活習慣が大事なのは言うまでもありません。
それでは、次回はなぜぎっくり腰が起こるのかについてお話をします。
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